****** 教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

χάρις

χάρις  恵み

  • パウロが、「恵み」と「平安」と二つのことばをもって挨拶していることは重要です。「平安」はヘブル語シャーロームという神の祝福の総称を意味しますが、それを与える神の動機が「恵み」なのです。
  • パウロの挨拶の「平安」エイレーネーεἰρήνηの前に置かれている「恵み」カリスχάριςということばは、神のすべての祝福の総称である「平安」を私たちに与えるところの神の動機(モチーフ)となることばです。平安という祝福、神のシャーローム(שָׁלוֹם)が出てくるその動機、源泉となるもの、それが「恵み」(カリス)ということばで表わされます。
  • 「・・・のことをしたので」与えられるものは、「恵み」とは言いません。「報酬」と言います。逆に、「・・・のことをせず、むしろ反対のことをしたにもかかわらず」与えられるのは、「報酬」ではなく、「恵み」と呼ばれます。つまり、人の行いによることなく、人の能力によることなく、人が何か良いことをしたという業績にも関係なく、「私がそうしたいのだ、そうしてあげたいのだ」という神ご自身の一方的な好意として与えられる祝福、これが「恵み」です。ですから、当然ではないのです。当たり前のことではないのです。本来、受けるに値しない者に与えようとする神の好意、これが神の心の動機です。しかも、神の恵みは神の愛のゆえに、無償で与えられるものです。だれにでも、別け隔てなく、すべての人に与えられます。
  • 使徒パウロはカリスχάριςということばを用いて福音を説明しました。ちなみに、マタイ、マルコ、1ヨハネ。3ヨハネでは使われていません。カリスは、まさに、受けるに値しない罪人に注がれた神の愛、価値なき者に与えられる神の愛顧を表わす語彙です。
  • 「恵み」と訳されたカリスχάριςは、イエス・キリストを通して実現しました。使徒パウロは「主イエスから受けた、神の恵みの福音をあかしする任務を果たし終えることができるなら、私のいのちは少しも惜しいとは思いません。」(使徒20:24)と述べています。
  • エペソ書では、「恵み」という語彙が12回も使われています。

    (1) 1:2
    「・・恵みと平安があなたがたの上にありますように。」
    (2) 1:6
    「・神がその愛する方によって私たちに与えられた恵みの栄光が、ほめたたえられるためです。」
    (3) 1:7
    「私ちは、この御子のうちにあって、御子の血による贖い、すなわち罪の赦しを受けているのです。これは神の豊かな恵みによることです。」
    (4) 2:5
    「ーあなたがたが救われたのは、ただ恵みによるのです。ー」
    (5) 2:7
    「それは、あとに来る世々において、このすぐれて豊かな御恵みを、・・お示しになるだめでした。」
    (6) 2:8
    「あなたがたは、恵みによって救われたのです。それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です。」
    (7) 3:2
    「あなたがたのためにと私がいただいた、神の恵みによる務めについて」
    (8) 3:7
    「私は、神の力の働きにより、自分に与えられた神の恵みの賜物によって、この福音に仕える者とされました。」
    (9) 3:8
    「すべての聖徒たちのうちで一番小さな私に、この恵みが与えられたのは、私がキリストの測りがたい富を異邦人に宣べ伝え、」
    (10)4:7
    「私たちはひとりひとり、キリストの賜物の量りに従って恵みを与えられました。」
    (11)4:29
    「悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。」
    (12)6:24
    「私たちの主イエス・キリストを朽ちぬ愛をもって愛するすべての人の上に、恵みがありますように。」

  • カリスχάριςの関連語として、賜物(gift, gifts)を意味するカリスマχάρισμαがあります。新約聖書で17回使われています。1ペテロ4:10を除いてすべてパウロがこの語彙を使っています。
  • 関連語としてもう一つ、動詞のカリトオーχάριτόωがあります。2回と使用頻度は少ない言葉ですが、御使いのガブリエルがマリヤに「おめでとう。恵まれた方」と語りますが、その「恵まれた」という訳の言葉がカリトオーです。英語ではhighly favored(NIV)と訳されています。神の特別な好意に預かったという意味です。エペソ1:6にも使われていますが、そこでは freely given 気前よく与えられた(時制はアオリスト)恵みという意味で使われています。

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