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「レビ人に対する配慮」

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9. 「レビ人に対する配慮」

聖書箇所 13:1~14:29

はじめに

  • 申命記の12章から26章まで、モーセは約束の地に入ってから神の民がなすべき(守るべき)様々な規定ーつまり、礼拝ときよい生活についての諸規定、および社会生活についての諸規定について記しています。
  • 申命記に記されている諸規定は多岐に渡っています。単にそれらを知るだけでなく、その諸規定の背後にある神の意図を正しく理解することは必ずしも容易ではありません。またすべて規定の意図が説明されているわけでもありません。この申命記のプランではこの部分(13~26章)に7回分の瞑想の時が充てられていますので、これからしばらくは、イスラエルの民たちが「聖なる民」として生きるべく神から与えられた諸規定の中から、いくつかのトピックを選択して瞑想していきたいと思います。 
  • 今回の瞑想のために取り上げる第一のトピックは、「レビ人に対する配慮」についてです。申命記では12:18, 19/14:27, 29/16:11, 14/18:1~8/26:12, 13/の箇所に言及されています。

1. レビ人の任務

  • レビ人はイスラエルの全初子に変わって神ご自身のものとされた者たちです。イスラエルの初子はルベンであるにもかかわらず、なぜルベンではなく、レビがすべての初子の代わりとして選ばれたかは、神の主権的な選びによるとしか言いようがありません。イスラエルの初子も家畜の初子もすべて神のものですが、レビ人はイスラエルの全初子の代わりとして神が定められたのです(民数記3:12)。
  • レビ人に与えられた神からの任務は、同じくレビ人の子孫で大祭司として選ばれたアロンとその子孫の祭司たちに対してサポートすることでした。レビ族には、ゲルション族、ケハテ族、メラリ族がおり、その役割は明確に分担されていました。荒野の生活においては、ゲルション族は幕屋の幕類、ケハテ族は聖所の中の器具類、メラリ族は幕屋の板類を管理し、それを運搬していました。しかし、礼拝する場所が固定される時代、つまり、カナンの地において定着するときには、幕屋を運搬することはなくなります。申命記10:8にはこう記されています。それによれば、彼らの特別な務めは「主の契約の箱を運び、主の前に仕え、また御名によって祝福する」ことです。最初の「主の契約の箱を運ぶ」働きは、礼拝の場所が変わるときには必要ですが、礼拝の場所が固定化するとその働きはなくなります(ダビデによって礼拝の場所がエルサレムに決まるまでは、ギルガル、ベテル、シロが聖所とされていました。)。後の「主の前に仕える」働き、「御名によって祝福する」ことがメインになります。神のみことばを教える働きも担うようになります。ダビデ・ソロモン時代においては、レビ人の中から特別に選抜された「賛美にかかわる働き」が加わるようになります。賛美リーダーとしてはアサフ、ヘマン、エタン(エドトン)と言った名前は有名です。それにレビの中の4千人は「ダビデが賛美するために作った楽器を手にして、主を賛美する者」として登用されました。その中でも特別に訓練を受けた288人の賛美奉仕者(音楽の達人)がおりました(Ⅰ歴代誌25:7)。しかも、各12人ずつ24組に分けて順番に奉仕に当りました。彼らは、神殿の中で、24時間絶え間なく、神を賛美する働きをしたのです。
  • レビ部族は他の部族とは異なり、約束の地での相続地の割り当てはありませんでした。なぜなら「主ご自身が彼らの相続地」だったからです。これはどういうことを意味するのでしょうか。それは、レビ族は直接、主によって養われるということです。とはいえ、具体的には各部族が主にささげるささげ物によって、レビ部族の必要は賄われるというシステムです。それゆえに、レビ人はイスラエルの各部族の中に住むためにそれぞれ配置されました。その意図は、レビ人の存在を通して、彼らが自分たちの初子の代わりとしての存在であることをいつも心に留めさせるためでした。

2. レビ人への配慮―レビ人をないがしろにしてはならない

  • それゆえ、モーセは申命記12:18,19でイスラエルの民たちにこう呼びかけています。

    「あなたの神、主が選ぶ場所で、あなたの息子、娘、男奴隷、女奴隷、およびあなたの町囲みのうちにいるレビ人とともに、・・主の前で(ささげものを)食べなければならない。・・・
    あなたは一生、あなたの地で、レビ人をないがしろにしないように気をつけなさい。」

  • 14:27~29にもレビ人への配慮をすることが命じられています。

    「あなたがたの町囲みのうちにいるレビ人をないがしろにしてはならない。彼には、あなたのうちにあって相続地の割り当てがないからである。三年の終わりごとに、その年の収穫の十分の一を全部持ち出し、あなたの町囲みのうちに置いておかなければならない。あなたのうちにあって、相続地の割り当てのないレビ人や、あなたの町囲みのうちにいる在留異国人や、みなしごや、やもめは来て、食べ、満ち足りるであろう。あなたの神、主が、あなたたちのすべての手のわざを祝福してくださるためである。」

  • 「レビ人をないがしろにしてはならない」という命令は、彼らが、神によって自分たちの初子の代わりとして神に仕える働き人とされたからでした。それゆえ、レビ人に配慮することは、神を愛し、神を礼拝することと密接に結びついたことだったのです。14:27~29の記述は、神を愛し、人を愛するという十戒の具体的なあかしです。自分たちがかつて奴隷であった境遇から救い出されたことを絶えず思い起こされる存在である社会的弱者である在留異国人、孤児、寡婦といった人に対して、また自分たちの初子の代わりとして立てられたレビ人たちに対して、三年目に収入の十分の一をささげることを通して、愛を示すことが命じられたのです。実に、具体的です。まずは自分たちの共同体において貧しい者に対する福祉理念がしっかりとしていなければなりませんでした。

3. 歴史の中でリストラされたレビ人たち

  • しかしこの神の命令は、果たして歴史の中で正しく守られたのでしょうか。それは否です。神の民が正しい礼拝を神にささげているときはレビ人たちは厚遇されていました。しかしそうでないときには彼らはリストラされたのです。
  • ソロモンの治世の後、イスラエルは北と南に分裂します。そのとき、北イスラエルの王となってヤロブアムは自分に都合の良い異教の祭司を登用するため、主の祭司やレビ人たちをリストラさせました。そのために、彼らは自分たちの住みかを捨てて南王国のエルサレムに移り住みました。
  • 南ユダ王国の歴史においても、王が他の国々と同じような繁栄を求めて偶像礼拝に走って行ったとき、当然のようにレビ人たちもリストラされました。逆に、ヒゼキヤやヨシヤといった主に忠実な王が治めた時には、宗教改革が実施され、レビ人たちも尊く登用されました。霊的な覚醒とレビ人の存在は密接な関係にあるようです。

4. 教訓

  • 以上のことから教えられることは、レビ人に対する正しい待遇や配慮は、神に対する愛と礼拝の心と無関係ではないということです。今日において、神に聖別された働き人、教役者と言われる人々に対する教会の待遇や配慮は、神への愛のバロメーターともなることを教えられます。モーセがイスラエルの共同体においてレビ人が軽んぜられるような在り方は危険であることを暗に教えているように、使徒パウロも同じくこう述べています。「みことばを教えられる人は、教える人とすべての良いものを分け合いなさい。思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊のために蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです。」(ガラテヤ6:6~8)と。
  • また、神に立てられた教役者(現代のレビ人)も、神の民を祝福するために、自分に与えられた働きに心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、「熟練した者、すなわち、真理のみことばをまっすぐ説き明かす、恥じることのない働き人として、自分を神にささげるよう、努め励む」(Ⅱテモテ2:15)ことが求められています。


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