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アサ王の治世 (1)

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38. アサ王の治世 (1)

【聖書箇所】Ⅱ歴代誌 14章1節~15節

ベレーシート

  • ユダの王アサ(אָסָא)は主の目にかなうことを行なった善王として評価されています。彼についての記述は列王記ではわずかに16節だけ割かれていますが、歴代誌では何と3章分(14~16章)が割かれています。そのことを見ても彼から多くを学ぶ必要があることを示唆しています。14章におけるアサ王の治世の特徴は三つあります。その一つ一つを見てみたいと思います。

1. 宗教改革の実施

  • アサ王の父アビヤはわずか3年の治世でしたが、アサ王は41年間ユダを統治することになります。その最初の10年の間は「平安を保った」ようです。「平安を保った」という動詞が14章1節と5節にあります。「平安を保った」と訳された原語は「シャーカト」(שָׁקַט)を、口語訳は「穏やかであった」、新共同訳は「平穏であった」と訳しています。「落ち着きを与える、平穏を与える、沈黙を与える、やすらぎを与える」といった意味ですが、イザヤ書の有名なみことば30章15節にある「立ち返って静かにすれば、あなたがたは救われ、落ち着いて、信頼すれば、あなたがたは力を得る」の「落ち着いて」というところに使われている言葉と同じです。
  • しかし多くの神の民たちは危機的状況を前にして、「落ち着く」ことができずに、人間的画策へと走って行くのが常でしたが、「平安を保つ」ことができたのは、アサ王が「主の御目にかなうことを行なった」ことによります。具体的には宗教改革を実施したことを意味します。このようなことができるためには、その前に彼自身が「主を尋ね求める」(דָּרַשׁ)というダビデのような霊性を持っていたからです。

【新改訳改訂第3版】Ⅱ歴代誌14章3~5節
3 異教の祭壇と高き所を取り除き、柱を砕き、アシェラ像を打ちこわした。
4 それから、ユダに命じて、彼らの父祖の神、【主】を求めさせ、その律法と命令を行わせた。
5 さらに、彼はユダのすべての町々から高き所と香の台を取り除いた。こうして、王国は彼の前に平安を保った。


●「高き所」(「バーマー」בָּמָהの複数形)「高き所を取り除いた」という感覚は、日本人のだれかが主を信じてクリスチャンになった時、それまで家にあった仏壇や神棚を取り除くことに匹敵します。あるいは旅行にいった時に買い求めたどこかのおみくじやお札もすべて取り除くことを意味します。ユダの王の中でこの「高き所」を取り除いた王はアサの他に、ヨラム、ヒゼキヤ、ヨシヤと多くはいないのです。逆に「高き所」を築いた王は、アハズ、マナセです。アサ王は勇気ある信仰的な人であり、しかも「主を求める」というダビデの心を持っていた王です。アサにはお抱えの預言者たち(アザルヤやオデデ)の存在を通して、神の統治を学んていたのかも知れません(15章1, 8節)。


2. 国防の強化

  • アサの治世の特徴の第二は、ユダの町々の防備を教化したことです。それが出来たのも、戦いがなく平穏であったからでした。

【新改訳改訂第3版】Ⅱ歴代誌14章6~7節
6 彼はユダに防備の町々を築いた。当時数年の間、その地は平安を保ち、【主】が彼に安息を与えられたので、彼に戦いをいどむ者はなかったからである。
7 彼はユダに向かってこう言った。「さあ、これらの町々を建てようではないか。そして、その回りに城壁とやぐらと門とかんぬきを設けよう。この地はなおも私たちの前にある。私たちが私たちの神、【主】を求めたからである。私たちが求めたところ、神は、周囲の者から守って私たちに安息を下さった。」こうして、彼らは建設し、繁栄した。


●「繁栄した」と訳された語彙は「ツァーラハ」(צָלַח)ですが、使役形で使われると「成し遂げる、栄える、完成する」という意味。
●北イスラエルとは依然として対立した緊張状態にあったにもかかわらず、「【主】が彼に安息を与えられたので、彼に戦いをいどむ者はなかったからである。」とあります。


3. クシュ人ゼラフの侵攻に対するアサの祈り

ツェファテの谷.JPG
  • クシュ人(エチオピア)ゼラフが百万の軍勢を三百台の戦車を率いて、マレシヤにまで寄せて北とあります。マレシアがどこにあるのか同定できませんが、そこにある「ツェファテの谷」がどこにあるのかは分かります。(地図右)

【新改訳改訂第3版】Ⅱ歴代誌14章11節
アサはその神、【主】に叫び求めて言った。「【主】よ。力の強い者を助けるのも、力のない者を助けるのも、あなたにあっては変わりはありません。私たちの神、【主】よ。私たちを助けてください。私たちはあなたに拠り頼み、御名によってこの大軍に当たります。【主】よ。あなたは私たちの神です。人間にすぎない者に、あなたに並ぶようなことはできないようにしてください。」


●短い祈りですが、神に信頼する力強い祈りです。ユダ58万対クシュ100万という軍勢の比ですが、アサ王は「私たちはあなたにより頼み」と祈ります。こうした戦いに備えてアサは軍備を強化して備えましたが、数としては劣勢でした。しかし彼は軍備の数に信頼するのではなく、神に信頼したのです。主はアサの祈りを聞かれ、クシュの軍勢を打ち破られました。

●危機存亡の折、こうした神への信頼の祈りをささげることができたのは幸いです。「拠り頼む」と訳されたヘブル語は「シャーアン」(שָׁעַן)で、寄りかかるという意味で、信頼用語の「バータハ」(בָּטַח)とは同義です。


2017.4.22


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