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アンビバレントなアマツヤ王

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49. アンビバレントな心をもったアマツヤ王

【聖書箇所】Ⅱ歴代誌 25章1節~28節

ベレーシート

画像の説明

  • Ⅱ歴代誌25章に登場する王の名は「アマツヤ」です。彼の先代の王たちは不穏な政局の中で、病死と暗殺で死んでいます。アザルヤの父であったヨアシュも叔母の夫である大祭司エホヤダによって、王の後継者として育てられましたが、養父が死んでからガラリとその態度は変わります。そのような複雑な家庭環境に生まれ育ったアザルヤの性格は、王としての資質には問題があったようです。彼の性格の特徴はきわめてアンビバレントであったということです。

1. 「アマツヤ」の名前の意味

  • 「アマツヤ」のヘブル語表記は אֲמַצְיָהוּで、「(心を)強くする」という意味の動詞「アーマツ」(אָמַץ)と、固有名詞の「主」を表わす「ヤー」(יָה)からなっています。つまり、「アマツヤ」という名前は「主が強くしてくださる」という意味です。しかし「アマツヤ」は、その名前のように生きることができませんでした。なぜなら、彼を強くしてくださる主を信頼することができなかったことで、主が彼から離れてしまったからです。

2. アンビバレントな心をもっていた「アマツヤ」

  • 「アンビバレント」は精神医学用語で、その人の心の中に相反する心、感情、考えがあり、そこから相反する態度や行動、対処といった形で現われてきます。だれでもこのような心をもっているのですが、それが二律相反するようになるとき、人は精神的な病を引き起こすと言われます。アマツヤは複雑な生育史においてそのような心をもつようになったと考えられます。
  • しばしば、優越感は劣等感の裏返しと言われますが、強さも弱さの裏返しと言えます。一人の心の中に矛盾した心、つまり、従順と反抗が同居しているのです。
  • 彼の相反するアンビバレントな心をよく表わしているフレーズがあります。Aは従順的な面、Bは反抗的な面で書き表してみたいと思います。

    (1) 2節
    A 彼は主の目にかなうことを行った(2節前半)。
    B 全き心をもってではなかった(2節後半)。

    (2) 3, 4節
    B 彼の王国が強くなると、彼は自分の父、王を打ち殺した家来を殺した(3節前半)。
    A モーセの律法によって、彼らの子どもたちは殺さなかった(4節)。

    (3) 5~10節、14~20節
    A アマツヤは神の人の言うことを聞いて、金で雇った北イスラエルの兵を帰した(5~10節)
    B アマツヤは偶像礼拝の罪を指摘した預言者のことばを聞き入れなかったばかりか、脅迫した(14~16節)。


3. 自分が力を得たと思った時が、最も危ないという教訓

  • アマツヤを見ていると、彼が力を得たとき、つまり自分が「強くなった」と思ったときに彼の脆弱さが顔を出しています。17節にその現われを見ることができます。アマツヤはセイル、エドムに勝利した後、「よく考えたうえで」(協議した後)、イスラエルの王ヨアシュに「さあ、勝敗をきめようではないか」(口語訳・岩波訳「さあ、一戦を交えようではないか」、原文直訳「われわれは互いに顔を合わせよう」)と使者を送っています。これは勝利を得た傲慢さから出たことであるとヨアシュはすぐに見抜いていますが、アマツヤはそれが見えていません。無意味で、しかも無謀な戦いをやめるようにヨアシュはアマツヤに伝えますが、アマツヤはそれを聞き入れませんでした。まるでアマツヤはわきまえを知らない子どものようです。
  • 案の定、勝敗を決める戦いがはじまり、結果としてはアマツヤの惨敗に終わります。エルサレムの城壁は壊され、多くの財宝と人質が奪い取られています。これが契機となって、彼は自分の民たちに暗殺されてしまいます。
  • 自分の弱さを知って、主に頼ることがどんなに大切なことかを、反面教師アマツヤ王を通して教えられます。「主が心を強くされる」というメッセージが自分の名前であるにもかかわらず、そのことに気づくことなく、自分のアンヒバレントな心に翻弄され、自分の欲望を無限に肯定してくれる偶像の神々を求めたことで、主が手を引かれました。その結果、ユダの町エルサレムは悲惨な結果を被っただけでなく、アマツヤは暗殺されるという不名誉な王となってしまいました。

2014.4.8


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