イタヤカエデ
石山の樹木(落葉高木篇)の目次
石山の樹木(落葉高木篇) 3. イタヤカエデ
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- カエデの仲間では大木となるイタヤカエデ
- カエデ類は種類が多いが、石山で自生しているのは(今のところ)イタヤカエデ、アカイタヤ、ヤマモミジ、ハウチハカエデの四種である。中でも、イタヤカエデは大木となる木で森の中でも存在感のある木である。特に「秋を彩る木」として、カエデの代表と言える。別名、エゾイタヤとも言う。
- シロップが採取できるイタヤカエデ
イタヤカエデは、ホットケーキなどにつけて食べるメイプル・シロップの木で有名である。前年の夏に蓄えたデンプンが糖化し、根が活発に活動する春先(3~5月頃)になって、水分を吸い上げるときに糖が水に溶けてシロップになるという。イタヤカエデは、日本のカエデ類の中では含糖量が最も多く、他のカエデの3倍近くあるという。
- また、灰色のなめらかな樹皮を煎じて洗眼薬にすると、眼がはっきりして千里のかなたもよく見えるという。樹皮をむやみに削ぐなら枯れてしまう懸念がある。自然保護の立場からいえば皮を削ぐのはふさわしくない。ともあれ、驚くべきことは自然の中にあるさまざまな恵みを発見し、それを利用してきた昔の人々の知恵には敬服に値する。
- イタヤカエデの新芽
- カエデ類の特徴は二つある。ひとつは、葉のつき方が「対性」であること。もう一つは種子の形態が「一対の翼果」もつことである。翼果はヘリコプターのプロペラのようにクルクル回転しながら落ちてくる。
- イタヤカエデの黄葉
- イタヤカエデの葉は、秋には黄葉する。
イタヤカエデの冬芽と葉痕
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