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カルヴァンの詩篇註解について

カルヴァンの詩篇註解について

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●カルヴァンの詩篇註解の特徴は、各詩篇の註解の最初に、その「要旨」が提示されているということです。それから各節の解説がなされています。これによって各詩篇はそれぞれひとつのかたまりとして捉え、説明しようという意図が見えます。こうしたやり方は当時としては新しい方法でした。


●アウグスチヌスやルターの場合には、註解は各節にとどまり、そこから神学的な諸問題へと発展していきますが、この点、カルヴァンの場合には、与えられた詩篇にとどまり、そこから一字一句の意味を旧約聖書全体との関連で、そして次に新約聖書との関連で解き明かそうとしていることです。


●アウグスチヌスとルターとの共通点は、詩篇をキリスト論的に解釈している点ですが、カルヴァンの場合にはまずは詩篇をダビデのものとして読んでいます。そのあとでダビデとキリストをしっかりと結び付けて解釈しているのです。つまり、ダビデを、来るべきキリストの型、像、あるいは象徴とみなしています。


●ちなみに、詩篇2篇のカルヴァンの「要旨」をここに掲載しておきたいと思います。

ダビデはその王国が、神のみ手と力によって支えられているので、たとえ多くの強力な敵に攻められても、なお滅びるみとがないことを誇りにしている。彼はさらに、敵の妨げにもかかわらず、その王国は地の果てにまで及ぶであろう、と付け加える。それゆえに、彼はもろもろの王や君候らに対して、その驕慢を投げ捨て、神が彼らに負わせられたくびきを、心静かに受け入れるようにと勧める。これを解き捨てようとすることは、空しい努力だからである。さらに、この比喩は来るべきキリストの王国に関する預言を含んでいる。

(カルヴァン「旧約聖書詩篇註解(Ⅰ) 出村彰訳、新教出版社、1971)



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