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シェアル・ヤシュブ(残りの者は帰って来る)

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100. シェアル・ヤシュブ(残りの者は帰って来る)

【聖書箇所】 イザヤ書7章3節

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【読み】
ヴァーメル アドーイ エル・イェシャヤー ツェー・ナー
リクット アーーズ アッー ウーシェアール ヤーシューヴ ベネハー

【文法】
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【翻訳】

【新改訳改訂3】
そこで【主】はイザヤに仰せられた。「あなたとあなたの子シェアル・ヤシュブとは出かけて行って、・・アハズに会い、」
【口語訳】
その時、主はイザヤに言われた、「今、あなたとあなたの子シャル・ヤシュブと共に出て行って、・・アハズに会い、」
【新共同訳】
主はイザヤに言われた。「あなたは息子のシェアル・ヤシュブと共に出て行って、・・アハズに会い、」
【岩波訳】
そこでヤハウェがイザヤに言われた、「あたなとあたなの子シェアル・ヤシァブは、・・アハズに会うために出かけなさい。」
【NKJV】
Then the Lord said to Isaiah, "Go out now to meet Ahaz, you and Shear-Jashub your son,
【NIV】
Then the LORD said to Isaiah, "Go out, you and your son Shear-Jashub, {[3] <Shear-Jashub> means <a remnant will return.>} to meet Ahaz

【瞑想】

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「シェアル・ヤシュヴ」とはイザヤの息子の名前です。イザヤは同じく女預言者と結婚していたようです(イザヤ8:3)。イザヤが活躍した時代はユダのウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代です。周囲の国は南はエジプト、北はアッシリヤが台頭し、その狭間にあって国家存亡の危機に見舞われました。そうした状況の中にあって預言者イザヤが語り続けたメッセージは、ただ神にのみ信頼して絶対的中立の立場を貫くというものでした。ところが政治の世界はそう簡単ではありませんでした。危機打開の手立てとして同盟関係を結ぶという施策を優先するようになって行きました。ユダの王は不安と恐れのゆえに、人間の心の奥深くにある生存と防衛の保障を神にではなく、大国に求めようとしたのです。ですから、イザヤの絶対的中立のメッセージは語れば語るほど、ユダの王やユダの人々の「心をかたくなにするメッセージ」となってしまったのです。

アハズがユダの王であったとき、主はイザヤにその息子の「シェアル・ヤシュヴ」を連れてアハブに会いに行くように命じました。なぜ、主はイザヤだけでなく、その息子の「シユアル・ヤシュヴ」を連れて行くように言われたのかと言えば、それは息子の名前それ自体が、主のメッセージそのものだったからです。アハズはエフライム(北イスラエルのこと)とアラムが連合してエルサレムを攻めてきたとき。主ら頼らずにアッシリヤに貢物を送って手を結んでいました。そんなアハズの前にイザヤが「残りの者は帰ってくる」というメッセージを秘めた息子を連れて行ったということは、主を信頼することをしなければやがて国はさばかれ、国は滅び、エルサレムは廃墟となってしまうこと(これはバビロン捕囚を意味する)。しかし、やがて「残りの者たちが帰って来て」エルサレムを再建するという隠された預言的メッセージを伝えるためでした。

「残りの者」は英語では「レムナント」(remnant)、ギリシャ語では「レイムマトス」(λειμματος)ですが、この「残りの者」の思想はイザヤ書において重要なテーマです。特に、10章20~22節にこのテーマが取り上げられています。

【新改訳改訂第3版】イザヤ書10章20~22節
20 その日になると、イスラエルの残りの者、ヤコブの家ののがれた者は、もう再び、自分を打つ者にたよらず、イスラエルの聖なる方、【主】に、まことをもって、たよる。
21 残りの者、ヤコブの残りの者は、力ある神に立ち返る。
22 たとい、あなたの民イスラエルが海辺の砂のようであっても、その中の残りの者だけが立ち返る。壊滅は定められており、義があふれようとしている。

上記の箇所には「残りの者」の特徴が記されています。
(1) 神のさばきを免れた残りの者は常に少数派ですが、その者たちがイスラエルの過去と将来をつなぐ存在となること
(2) 残りの者たちだけが、やがて神のもとに帰ってくるということ
(3) 残りの者たちは常に、真実をもって主に信頼する者であること

「残りの者」の思想にふれている聖書箇所は以下のとおり。

イザヤ書46:3、エレミヤ書6:9/31:7、エゼキエル書9:8、アモス書5:15、ミカ書2:12、ローマ書11:1~5、等参照。


2013.5.28


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