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ゼパニヤ書の瞑想を始めるに当たって

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0.  ゼパニヤ書の瞑想を始めるに当たって

【聖書箇所】 1章1節

ベレーシート

  • ナホム書、ハバクク書と同様、ゼパニヤ書も3章からなる小預言書です。「ゼパニヤ」という名前ですが、読み方としては「ツェファヌヤー」(צְפַנְיָה)なのですが、、新共同訳では「ゼファニヤ」と表記し、バルバロ訳に至っては「ソフォニヤ」と表記されます。「ゼパニヤ」と「ソフォニヤ」では全く異なる書と思わされてしまいます。頭に来る「ツァーデー」という文字〔צ〕が、なぜ「ゼ」になったり、「ソ」になったりするのか分かりません。
  • 「ゼパニヤ」と表記される預言者の名前は、「蓄える、秘め置く、(心に)納める、大切なことを隠す」という意味の「ツァーファン」(צָפַן)と、主の名前を意味する「ヤー」(יָה)とからなっています。意味としては「主が隠される」、あるいは、「主が隠し、秘め置いている事柄」という意味になります。それは同時に、秘められた事柄が主を尋ね求める者によってのみ開示されることを示唆しているとも考えられます。教会の中で、ゼパニヤ書からメッセージが語られることは少ないと思います。しかしこの書に神の隠された重要なメッセージが秘められているとすれば、私たちは謙虚に耳を傾けてみことばに隠されている宝を見出す者でなければなりません。
  • 「預言者ゼパニヤ」は、「主の日」に主がなそうとしておられることを当時のユダ(エルサレム)の人々に語り伝えました。しかしそのことばに耳を傾ける者は、決して多くはなかったと思われます。とはいえ、そこにも必ず主のみことばに耳を傾ける「残りの者」がいたと信じます。

1. 預言者ゼパニヤが語った時代的背景

  • 預言者ゼパニヤが自分を紹介するときに、自分の系図を5世代前まで遡っています。これが他の預言者と異なる点です。

画像の説明

  • 他の預言者のように、自分の父や祖父の名前ではインパクトが弱いと思ったのかもしれません。自分が「ヒゼキヤ」というユダの王の系譜にある者であることを伝えたかったのかも知れません。さらに、ユダの政治的内部の事情に詳しい一人であることを言わんとしたのかもしれません。

画像の説明

  • マナセの55年間にわたる親アッシリヤ政策に対して、真っ向から反発し、非難の声を上げたのが預言者たちでした。それに対して、マナセは弾圧政策をもって報いました。その弾圧は徹底して行われ、預言者たちだけでなく、偶像礼拝に身を汚すことを拒絶した者たちも同様に弾圧されたと思われます。それは「罪のない者の血まで多量に流し、それがエルサレムの隅々に満ちるほどであった」と記されているからです。
  • 父ヒゼキヤの宗教改革を完全に覆して背教の道を進んだマナセの悪行は、息子のアモンにも受け継がれ(2年の治世)、マナセの孫であるヨシヤ王の賢明な宗教改革によってしても、その後遺症からユダ王国を救い得なかったほどでした。北イスラエルはすでに滅び、南ユダ王国もやがては滅びることになると、ヨシヤ王の治世の初期に、王族の身内であるゼパニヤが主のさばきと悔い改めのことばを語ったのです。

2. ゼパニヤ書の構造

  • ゼパニヤ書の構造は以下の三つの部分からなっています。

    (1) ユダのエルサレムに対するさばきの宣告と悔い改めの勧告(1:1~2:3)
    (2) 周辺の諸国に対するさばきの宣告(2:4~3:8)
    (3) 異邦人とエルサレムに対する回復の預言(3:9~20)




2015.6.26


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