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バビロンのさばきと滅亡の預言

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12. バビロンのさばきと滅亡の預言

【聖書箇所】13章1節~14章23節

ベレーシート

  • イザヤ書の13章~23章には、多少の例外がありますが、イスラエルとかかわった諸国民に対する預言がまとめられています。それはエレミヤ書46~51章、エゼキエル書25~32章と同様です。イザヤ書の13章~23章には、イザヤの時代の預言もあれば、世の終りに成就する預言も含まれています。実に、広範囲にわたる預言です。時系列では記されていないので、神の救いの歴史のマスタープランを知っていなければ、混乱させられること間違いなしです。預言書を正しく理解するには、神のマスタープランの知識が必要となります。こうした知識は、聖書をいつも自分に適用しようとして読む習慣のある人には煩わしく感じられるはずです。しかし、イェシュアが語った「御国の福音」を理解するためには、不可欠な知識なのです。どこかでそれをじっくりと学ぶ必要があります。

画像の説明

  • 今回の13章と14章1~23節はバビロンに対する預言ですが、それは同時に、ヨハネの黙示録における「大バヒロン」の滅びと重ねられています。しかもそのコンテキストの中に「イスラエルの回復」の預言が語られています(14:1~2)。

1. バビロンへのさばきと滅び

  • 聖書における「バビロン」(新バビロン帝国のこと)の滅びは、アハズ王の治世に、預言者として神のことばを語ったイザヤの時代(B.C.734)から約200年後のことです。イザヤが「見よ、わたしは彼らに対してメディア人を奮い立たせる」(13:17)と預言したように、バビロンの最期の王であったベルシャツァルは、B.C.539年、メディヤ・ペルシアの連合軍によって倒され滅びました。
  • その滅びの預言が、13章19節に「こうして、王国の誉れ、カルデヤ人の誇らかな栄えであるバビロンは、神がソドム、ゴモラを滅ぼした時のようになる。」と記されています。またその滅びの理由について、イザヤは次のように語っています。

【新改訳2017】イザヤ書14章12~15節
12 明けの明星、暁の子よ。どうしておまえは天から落ちたのか。国々を打ち破った者よ。どうしておまえは地に切り倒されたのか。
13 おまえは心の中で言った。『私は天に上ろう。神の星々のはるか上に私の王座を上げ、北の果てにある会合の山で座に着こう。
14 密雲の頂に上り、いと高き方のようになろう。』
15 だが、おまえはよみに落とされ、穴の底に落とされる。

バビロン王と神の子イェシュア.JPG
  • 「暁の子、明けの明星」(脚注)はバビロンの王のことを指しています。彼は「国々を打ち破った者」です。そのバビロンの王が「天から落ちた」とは、「栄光の座から落ちた」ことを意味しています。なぜ栄光の座から「よみ」にまで彼が落ちたのか。その理由は、彼が心の中で、「私は天に上ろう。神の星々のはるか上に私の王座を上げ、・・・いと高き方のようになろう。」と考えたからです。「天」とは王座のあるところであり、自分が神のようになろうと」したのです。バビロンの王は絶対専制君主であり、「私は天に上ろう。・・いと高き方のようになろう。」という思いの中に、サタンが働いていることは明らかです。サタンは、サタンになる前に、御使いのかしらであり、「暁の子、明けの明星」と呼ばれ、御使いの中で最も美しい、また力ある存在だったのです。この御使いが高慢になり、神になろうと企みました。そのために神は彼はその地位から下界のよみにおとされたのです。
  • 14章4節の「バビロンの王」とは、バビロンの特定の王を指すことばではなく、異邦人世界のすべての王位についた者たちの総称であり、その背後にはサタンの支配があります。「バビロンの王」とはサタンの象徴的な型であり、神のさばきの対象の型でもあります
  • それは「大バビロン」ということばで、新約ではヨハネの黙示録にのみに登場します。

    ① 14章8節「大バビロンは倒れた。」
    ② 16章19節「大バビロンは、神の激しい怒りのぶどう酒を与えられた。」
    ③ 17章5~6節「その額には、意味の秘められた名が書かれていた。すなわち、『すべての淫婦と地の憎むべきものとの母、大バビロン』という名であった。そして、私はこの女が、聖徒たちの血とイエスの証人たちの血に酔っているのを見た。・・」
    ④ 18章2節「倒れた。大バビロンが倒れた。」
    ⑤ 18章10節「わざわいが来た。大きな都、バビロンよ。あなたのさばきは、一瞬のうちに来た。」
    ⑥ 18章21節「大きな都バビロンは、このように激しく打ち倒されて、もはやなくなって消え失せてしまう。」


    「大きな都、大バビロン」とは、反キリストによる巨大な政治と宗教システムを意味しています。


2. イスラエルの回復の預言

  • 13~14章のバビロンの滅びの預言の中に、わずかにイスラエルの回復の預言があります。

    【新改訳2017】イザヤ書14章1~2節
    1 まことに、【主】はヤコブをあわれみ、再びイスラエルを選んで、彼らを自分たちの土地に憩わせる。寄留者も彼らに連なり、ヤコブの家に加わる。
    2 諸国の民は彼らを迎え、彼らのところに導き入れる。イスラエルの家は【主】の土地で、その寄留者を男奴隷、女奴隷として所有し、自分たちを捕らえた者を捕らわれ人にし、自分たちを追い立てた者を支配するようになる。

  • イザヤ書14章1~2節には二つの事柄が記されています。
    第一は、イスラエル(在留異国人=ユダヤ人に帰化した人々も含めて)の祖国帰還について、諸国の民が彼らを祖国への帰還に骨折り、イスラエルの地に連れ帰ること。
    第二のことは、帰還したイスラエルの民が異国人たちの支配国となるということです。従って、ここの預言はペルシアの王クロスによるバビロン捕囚からの解放のことではありません。また、1948年のイスラエル建国によって、今日、帰還しているユダヤ人たち(アーリア)のことでもありません。この預言はメシアが王としてこの世に再臨されてからのことです。つまりメシア王国(千年王国)がなされた後に実現する事柄です。



脚注
「暁の子、明けの明星」のヘブル語表記は「ベーレール・ベン・シャーハール」。「明けの明星」は「ヘーレール」(הֵילֵל)で、イザヤ書14章12節にしか使われていません。これをラテン語で「ルシファー」(Lucifer)と訳しました。新約聖書のヨハネの黙示録22章16節の「明けの明星」は神の子イェシュアを意味しています。
「へーレール」の動詞は「ハーラル」(הָלַל)です。「ハーラル」のヒフィル態では「輝かす、照らす、(光を)放つ」の意ですが、強意形(ピエル態)では「ほめたたえる」「(神を)賛美する」という意味になります。そしてもう一つ、「狂わせる」という意味もあります。
「暁の子」は「ベン・シャーハル」(בֶּן־שָׁחַר)。「暁」と訳された「シャハル」(שַׁחַר)は「暁、夜明け」という意味ですが、その動詞である「シャーハル」(שָׁחַר)は、①「捜す、熱心に求める」、②「黒くなる」という意味があります。

2014.8.19


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