ヘブル語、ヘブライ語、ヒブル語
ヘブル語コラムの目次
「ヘブル語」、あるいは「ヘブライ語」、それとも「ヒブル語」?
- とても素朴な疑問なのですが、英語ではHebrewの一語であるのに対して、日本語では、「ヘブル語」、「ヘブライ語」、「ヒブル語」とさまざまに表記されています。数的に、最も多く使われているのは「ヘブライ語」でしょうか。いずれにしても、同じことを指しているわけですが、どの表現を使うかは使う人にゆだねられているといった感じです。
- 「ヘブル語」は英語のHebrewを音訳し、「ヘブライ語」はギリシア語の「ヘブライオス」(男性、Ἑβραίος)あるいは「へブライス」(女性、Ἑβραίς)の音訳です。ヘブル語自体は「イヴリート」(עִבְרִית)です。「渡る、通り過ぎる、越えて来る」という動詞の「アーヴァル」(עָבַר)に由来し、「渡って来た者たちの言語」という意味です。それは同時に、イェシュアを通して「渡って来た者たち」の言語でもあります。神の王国の民は、その言語を学ぶことを通して、その中に隠れされた王(イェシュア)の考え(神の概念)とそのライフスタイルとを学ぶことができます。
- 正式には「イヴリー語」、あるいは「イヴリートなのですが、そのように表記する人や書籍に私は今のところ出会っていません。一般的ではありませんが、個人的にはそのように表記しても良いのではと思っています。しかし今の所、私は「新改訳聖書」を基本として使っていますので、「ヘブル語」派でいきたいと思います。ちなみに、新共同訳は「ヘブライ語」です。
- ちなみに、旧約で「ヘブル人」は「イヴリー」(עִבְרִי)で、創世記14章13節にはじめて使われています。「ひとりの逃亡者が、ヘブル人アブラムのところに来て、そのことを告げた。」あります。聖書ではじめて「ヘブル人」という語彙が登場する箇所です。セムのひ孫に当たるエベル(アブラムの七代前)から来ているとも考えるが、その意味は「向こうの地から国境を越えてくる者、放浪者、開拓者、(川を)渡ってきた者」という意味です。
- 以下、新約聖書では11回使われています。⇒「ヘブル語か、ヘブライ語か」
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