ヘブル語の特異性
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ヘブル語の特異性
- ヘブル語の特異性は一つの単語の意味領域が日本語と比べてといも広いということです。たとえば、ヘブル語で最も使用頻度の高い動詞はアーマルאָמַר(’amar)で、旧約聖書の中で5,316回使われています。原義は「言う」(to say)という意味です。
- 創世記【新改訳改訂第3版】
15:5 そして、彼を外に連れ出して仰せられた。「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい。」さらに仰せられた。「あなたの子孫はこのようになる。」
- 創世記15章5節にある「仰せられた」(「言われた」)と訳された動詞は、いずれも、アーマルאָמַר(’amar)です。しかし最初のアーマルは、単に「言葉や声を発する」ということだけでなく、「命じる」といった意味合いがあります。二番目のアーマルは「約束する」といった意味合いがあることが文脈から理解できます。ヘブル語では「約束する」という固有の動詞はありません。ですから、「約束する」と言いたければ、動詞のアーマルを使わざるを得ません。
- 他にも、アーマルはいろいろな意味をもっているので、―たとえば、「答える」「宣言する」( to declare)「思う」(to mention)「考える」(to think)―読む者はどの用例で使われているのかを確認する必要があります。
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