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モーセの兄、アロンの系譜(改訂)


6. モーセの兄、アロンの系譜(改訂)

【聖書箇所】出エジプト記 6章14節~7章7節

はじめに

  • モーセの兄のアロンは、やがてはイスラエルの部族において、祭司としての務めをなしていく部族となりますが、目下、ここでは弟モーセの代弁者として預言者の務めを果たすことになります。しかし、出エジプト後に幕屋が建てられてからは、アロンは礼拝を取り仕切る大祭司となります。そのアロンの家系はイスラエルの歴史において、祭司としての職務が引き継がれていきます。同じく礼拝を司ることになるレビ人の職務はレビの息子たち、すなわちゲルション、ケハテ、メラリの各部族によってなされますが、アロンの家系は特別に、祭司、大祭司としての職務を担うことになります。つまり、レビ人の働きは大祭司と祭司の管理下に置かれることになるのです。

1. アロンの家系

レビの家系

  • 出エジプト記6章では、第一世代のレビから始まって第二代目のケハテ、第三代目のアムラム、第四代目のアロン、第五代目のエルアザル、そして第六代目のピネハスまでが記されています。カナン入国前までの家系が記録されています。

2. モーセの代弁者としてのアロン

  • 自分は「口べた」(※脚注)だとして尻込みするモーセに対して、主はアロンをモーセの代弁者として与えます。その関係は、神がモーセに対して語ったように、モーセとアロンとの関係は、モーセが神となり、アロンは預言者となるということです。
  • モーセとアロン、良きチームとしてのこの組み合わせはモーセを安心させたのではないかと思います。ただし、あくまでも神がモーセに語り、それをモーセはアロンに告げて、アロンがエジプトの王に語るという形です。アロンが直接、神からの声を聞くことはありませんでした。必ず、モーセを通して語るというのが神のやり方であったのです。
  • のちに幕屋が建てられますが、その最も中心となる幕屋の至聖所に入ることができるのは大祭司のみでした。他の祭司は聖所まで。その先は入ることができませんでした。大祭司であっても年に一度だけです。ところがモーセは、いつでも出入り自由だったのです。そんな特権を与えられたモーセに対して、姉のミリヤムもそして兄のアロンも妬みました。それほどにモーセは神とのかかわりにおいて特別な扱いを受けていたのです。

3. わたしが主であることを知るようになる

  • 7章5節には、「わたしが手を伸ばし、イスラエル人を彼らの真ん中から連れ出すとき、エジプトはわたしが主であることを知るようになる。」とあります。6章7節にもすでに同じことが語られていますが、6章7節の場合は知る対象がイスラエルの民でした。しかし7章5節ではエジプトもそうなることが語られています。
  • ここでの「知る」という動詞には完了形が使われています。「わたしが主であることを知るようになる」というのは時間的には先のことですが、確実にそうなることをヘブル語では完了形で表します。つまり、エジプト人もイスラエルの民も、やがて、確実に「わたしが主(=神)であることを知ることになる」という意味で語られているのです。

※脚注

モーセが語った「私は口べたです」の直訳は、「くちびるに割礼がない」です。あるいは「包皮を被った唇」です。本来、包皮は陰茎と関係するもので、唇と関係するものではありません。「包皮を被った」「無割礼の」を表わすへブル語の形容詞「アーレール」(עָרֵל)が唇(「サーファー」שָׂפָה)と結びつくことで、「口がうまく開けない」「話しべた」「コミュニケーション能力が低い」という意味に解されます。


2011.12.3
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