ルターと詩篇のかかわり
詩篇ア・ラ・カルトの目次
ルターと詩篇のかかわり
- M・ルターが30歳の時(1513年)から2年間にわたって、アウグスティヌス修道院の一階広場で、早朝に週二回、詩篇の講義を持っている。ルターはこの詩篇講義がはじまる前の年にヴィテッンベルグ大学の神学部教授になっていたが、その大学の一部としてアウグスティヌス修道院が使用されていた。ルターの詩篇講義はわずかな人々―修道士や司祭たちーでなされたようである。この講義がやがて歴史的な意味をもつようになる。
- ルターが講義の対象として詩篇を選んだ理由は、詩篇が彼の霊的な生活を励まし、
慰め、豊かにしたからである。彼は詩篇の中にキリストの意味が明瞭に語られていることを確信していた。また、詩篇の章句が毎日用いられる祈祷書に多く採用されていたことも、詩篇を選んだ理由の一つであるかもしれない。ともかく彼は、詩篇を愛読した。
- 「詩篇は小聖書と呼ばれてもよく、この書ではすべてが最も美しく簡潔に述べられており、かりに人が聖書全部を読むことができなくても、この小冊子にすべてが要約されている」とルターは述べている(「詩篇の序言」)。
- ルターが生涯を通じて詩篇を講解し、説教のテキストにこれを用いたおおよその回数は、大きな講義と講解が4篇、説教のテキストとして用いた回数が45回、そして詩篇の章句に対する大小の注解は94回に及んでいる。
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