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レビ族の系図(歴代誌では最も注目されている)

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6. レビ族の系図(歴代誌では最も注目されている)

【聖書箇所】Ⅰ歴代誌 6章1~81節

ベレーシート

  • レビ族は歴代誌の中で最も多くの紙面を割いて取り上げられている部族です。レビ族の系譜には、大きく分けて、祭司の系譜による「特別職」とレビ族の三つの系列(ケハテ族、ゲルション族、メラリ族)による「専門職」とがあります。後者は前者を支えていく役割を担っています。祭司だけでは礼拝をすることはできません。祭司とレビ人と言われる者たちの存在が重要です。それゆえ、歴代誌ではレビ人の系譜を丁寧に記しています。
  • 歴代誌第一6章では「特別職」を担う祭司の系図は淡々と名前だけが記されています。ただひとつ、ソロモンの神殿で大祭司となったアザルヤの名前だけに注釈が記されています。なぜそのような注釈がついているのかと言えば、彼の祖父も同じ名前だからです。この「アザルヤ」という名前は、10節のアザルヤから七代目も同じく「アザルヤ」の名前を持つ人物が現われているからです(つまり、バビロン捕囚で連れて行かれた大祭司エホツァダクの祖父のこと)。ちなみに、この「アザルヤ」の名前は「主は助けた」の意味です。
  • 歴代誌では、大祭司、祭司よりもレビ人に注目されています。なぜなら、彼らはダビデの時代に新しい働きをすることになったからです。その働きとは、モーセの幕屋にはなかったもので、音楽を伴った賛美をする働きです。三つの各部族にはそれぞれ三人の賛美リーダーが立てられています。
  • 6章の構成は以下の通りです。

    (1) 1~15節。レビの系譜、特別職の大祭司の系図
    (2)16~30節。レビの系譜、専門職の三つの部族の系図
    (3)31~53節。各部族出身の三人の賛美リーダーの系図
    (4)54~81節。レビ族の移住地


1. ダビデ・ソロモン時代に登用されたレビ人たち

  • ダビデはエルサレムに神の契約の箱を安置することで、ダビデの幕屋礼拝という音楽による賛美を伴った新しい礼拝を開始します。しかし、従来のモーセの幕屋も粗末にはしていません。そこに賛美リーダーのヘマンとエタンを派遣しています。この時代にはモーセの幕屋を移動することがなくなった時代です。依然と動物のいけにえに礼拝は続けられて行きますが、ダビデの幕屋では歌による賛美がささげられていました。ちなみに、モーセの幕屋礼拝の形式とダビデの幕屋の礼拝形式が融合されるのはソロモンの神殿においてです。そこでは、レビ人が歌うたいとして重用されたのです。

2. 三大賛美リーダの系譜

画像の説明

  • 礼拝のために仕えるレビ人の働きは20歳になってからですが、ダビデ・ソロモン時代においての賛美の奉仕をするレビ人は30歳になってからでした。その分、音楽の技術的な訓練、および霊的な訓練が求められたのだ考えられます。国家を挙げてのプロジェクトでしたから、それなりの質が求められたと考えられます。
  • バビロン捕囚から帰還した神の民たちが神を礼拝するための新しい神殿(第二神殿)を建てた後でどのような礼拝をすべきか、そのモデルとなったのがダビデが構想した礼拝のあり方でした。
  • レビ族の中で、ケハテ族中心に右にゲルション族、そして左にメラリ族となっているのは、おそらくケハテ族から大祭司アロンとモーセの流れが起こっているからだと思われます。しかも、三つの流れからそれぞれ平等に賛美リーダーが立てられています。幕屋の「器具」(祭壇、契約の箱、メノーラー等)を管理し運搬したケハテ族からはヘマン、幕屋の「幕」を管理し運搬したゲルション族からはアサフ、幕屋の「柱」(台座、杭、くぎ等)を管理し運搬したメラリ族からはエタンが輩出しています。

3. 祭司・律法学者のエズラによる神の民の再建構想

  • バビロンにいた祭司であり、律法学者であったエズラがエルサレムに帰還するに当たって、最もこだわったのはレビ人の存在でした。エズラ記8章15~19節には次のように記されています。

    15 私はアハワに流れる川のほとりに彼らを集め、私たちはそこに三日間、宿営した。私はそこに、民と祭司たちとを認めたが、レビ人をひとりも見つけることができなかった。
    17 ・・・私は・・私たちの神の宮に仕える者たちを連れて来るように、カシフヤ地方にいるイドとその兄弟の宮に仕えるしもべたちに命じた。
    18 私たちの神の恵みの御手が私たちの上にあったので、彼らはイスラエルの子、レビの子、マフリの子孫のうちから思慮深い人、シェレベヤと、その子たち、およびその兄弟たち十八名を私たちのところに連れて来た。
    19 また、ハシャブヤとともに、メラリの子孫のうちからエシャヤと、その兄弟と、その子たち二十名、

  • エズラがレビ人の存在にこだわったのには理由があります。それは捕囚から帰還した神の民を再建させるために、神のトーラーを教えるレビ人が必要だったからです。ダビデ・ソロモン時代の神殿礼拝においては神を賛美するレビ人が重用されましたが、新しい時代、つまりエズラの時代には神のトーラーを愛し、それを教えることのできるレビ人たちでした。
  • 今日の教会における教訓として、次世代の主にある者たちに求められるのは、神のみことばにある深みを掘り起こすことのできるレビ人的な存在です。つまり、聖書をヘブル的視点から理解する者たち、神の言語であるヘブル語の中に隠されている神の秘密を悟るレビ人の存在です。エズラがレビ人の存在にこだわったように、私たちもそこにこだわる必要があると信じます。

付記



画像の説明

2013.12.18


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