千年王国における12部族の土地配分
45. 千年王国における12部族の土地の相続配分
【聖書箇所】 47章13節~48章35節
ベレーシート
- エゼキエル書最後の瞑想は、千年王国におけて回復されたイスラエル12部族の土地の配分です。ダビデ・ソロモン王国においてイスラエルは一つでした。「王国」を意味する「マルフート」がソロモン以降南北二つに分裂しました。南ユダはバビロン捕囚から解放されてエルサレムに帰還しますが、A.D.70に神殿はローマ軍によって破壊され、ユダヤ人は全世界に散らされました。しかし、千年王国にはソロモン時代のようにイスラエルは再び世界各地から集められ、ソロモンにまさる王である主イエスによって統治されます。メシアの王国です。
- そのときに各部族に配分される土地の領域は、図にあるように、かつてソロモン王が支配した地域です。この意味でも、メシア王国はダビデ・ソロモン王国の失敗を踏み直していると言えます。
1. イスラエルの各部族の土地の相続配分
- エルサレムを中心として北と南に新しいパターンによって、ほぼ均等に配分されます。全体の中心は神殿のある特別区です。そこには神殿と祭司たち、レビ人の住む場所があり、また「町」と言われる共有地があります。旧約ではレビ人が各部族に配分配置されましたが、千年王国では逆に、各部族から町に住む者が配置され、そこで収穫された物は神殿にささげられました。
日本ナザレン教団出雲教会の牧師「永井牧師の部屋」も参照のこと。
- 町は一辺が4,500キュビトの正方形で囲まれており、各方向にそれぞれ三つの門があり、各部族の名前が付けられています。これはやがて、新しい天と新しい地の「都」構造を予表しています(黙示録21章)。「町」は別名として「アドナイ・シャーマー」יהוה שָׁמָה(主がそこにおられる)と呼ばれます。
2. ダン族の名前が回復されている
- エゼキエル書48章2節に(最初に)、ダン部族の名前があることは驚きです。なぜなら、歴代誌の系図にダン族が名が記されていないからです。歴代誌が書かれたのは、バビロンから帰還した後の事で、この頃のダン族はイスラエルの十二部族から除外されていたということになります。
- 黙示録の7章では、反キリストの支配の中にあっても守られるイスラエルの十二部族の中に、ダンの部族の名前がありません。その理由として、このダン族から反キリストが現われるという考え方があります。あるいは、ダン族がカナンの地を相続して後にフェニキヤ人(ツロ・シドン)と交わり、彼らの影響を受けていち早く偶像礼拝を持ち込み、急速に他の部族と信仰を共にせずに堕落したからだという考え方もあります。いずれにしても、十二部族の中で最も神さまから遠い存在になったダン族ですが、彼らは千年王国の始まりの時には十二部族の筆頭としてその名前が再び刻まれているのです。士師の時代から数えて三千年もの間、異教の偶像礼拝者へと身を落としたダン族のことを、神は見捨てることなく、最後に彼らの相続地を用意していてくださるとは何という神の愛でしょうか。ほんとうに驚きです。
2013.7.27
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