堅い盟約(同意書)の内容
ネヘミヤ記の目次
10. 堅い盟約(同意書)の内容
【聖書箇所】 10章1節~39節
ベレーシート
- 9章では、「堅い盟約」を交わしたその経緯について記されていました。10章はその内容について記されています。私たちも、それぞれの人生の中でさまざまな契約を結びます。結婚の契約、建物とか、保険とか、それらがいい加減になってしまわないように、契約書にサイン(日本の場合は印鑑の押印)をします。その内容に違反すると、ペナルティとして契約が破棄されるだけでなく、なんらかの罰則が課せられます。ですから、契約するときには、内容をよく確かめて、自覚的に責任をもって押印(サイン)しなければなりません。盟約の基本的方針は、神のトーラーに従った神中心の生き方が目指すものでした。
- 教会でもしばしば「〇〇周年記念」というイベントがもたれます。これまでの歴史を振り返りつつ、これからの新しい展望に向かって、所属する者たちはある種の堅い盟約を交わすのでなければ、単なる記念会で終わってしまいます。記念会を持つ意義は将来に向けて盟約を交わすことにあると信じます。
1. 神の民として生きるという盟約
- イスラエルの民たちが新しい歴史を踏み出すに当たって交わされた同意書の中身の第一は、彼らが神のトーラーに従って、神の価値観を持って生きるということでした。その具体的な取り決めは、30節にあるように、「異邦人と結婚しない」ということでした。それは神からの選びとその使命に立つことを意味しています。
2. 安息日の厳守
- 第二の盟約の内容は、安息日を厳守することでした。たとい周辺の民が安息日に売り買いをしたとして、自分たちはその日に彼らから物を買わないという形で守るを表しました。
3. 同胞に対する愛を示すこと
- 第三の盟約は、神のトーラーを土台として、七年目には土地を休ませ、すべての負債を取り立てず、同胞に対して愛を示すことに同意しました。自分のことだけでなく、兄弟(同胞)のことも考え、常に相手の立場に立って、愛し合うとしています。
4. 神の宮のためにささげものをすること
- 新しいイスラエルの民たちは、エルサレムの神殿を中心とした信仰共同体です。それゆえ、神殿で行われるための礼拝のために、そこで仕える者たちを大切にすることを取り決めたのです。32節以降では、彼ら自らが、自発的に神殿へのささげものをしたのです。これは神に対する感謝のささげものですが、それは同時に、そこで神に仕える者たち(祭司やレビ人)の生活を支えることになります。
- このことはとても重要なことです。使徒パウロもガラテヤの教会に対して次のように書いています。
「みことばを教えられる人は、教える人とすべての良いものを分け合いなさい。思い違いしてはなりません。神は侮られるような方てはありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになる」(ガラテヤ書6:6~7)と記しています。神のみことばを教える人を支えることは、御霊にために蒔くと表現され、御霊から永遠のいのちを刈り取るのだとあります。
- へブル人への手紙13章にも、「神のことばをあなたがたに話した指導者たちのことを、覚えていなさい。彼らの生き方から生まれたものをよく見て、その信仰に倣いなさい」(7節)、また「
あなたがたの指導者たちの言うことを聞き、また服従しなさい。この人たちは神に申し開きをする者として、あなたがたのたましいのために見張りをしているのです。ですから、この人たちが喜んでそのことをし、嘆きながらすることにならないようにしなさい。そうでないと、あなたがたの益にはならないからです」(17節)とも記されています。
- 神のみことばを教える人は、人から支えられなくてもやって行く信仰が神から与えられていますが、だからと言って、そのような人たちを愛することなく、感謝することもないならば、霊的に良いものを得ることはできません。むしろ、彼らがその働きに集中することができるように、いろいろな面(経済的な面も含めて)で支えることは、必ずやその刈り取りをすることになるのです。一つの信仰共同体において、そこに属する者たちがそうした責任を果たしていくならば、共に多くの益を受けていくに違いありません。
- 39節の「こうして、私たちは神の宮をなおざりにしない。」という盟約は、彼らの信仰のいのちと密接に連動しているのです。
2013.11.9
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