****** 教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

女の中で最も美しい人よ

文字サイズ:

雅歌は、花婿なるキリストと花嫁なる教会のかかわりを学ぶ最高のテキストです。

4. 女の中で最も美しい人よ

【聖書箇所】 1章7〜8節

ベレーシート

  • 花嫁の特質は花婿を探し求めることであることを前回取り上げましたが、7節では、その花婿が仲間と一緒にいることを花嫁は知りつつ、今どこにいるのか気をもんでいる様子がうかがえます。

1. 花婿の居場所を探そうとしている花嫁

  • 7節を見てみましょう。

私の愛している人。どうか教えてください。
どこで羊を飼い、昼の間は、どこでそれを休ませるのですか。
あなたの仲間の群れのかたわらで、私はなぜ、顔おおいをつけた女のようにしていなければならないのでしょう。

  • まず、花婿が羊飼いであり、自分の群れをもっているという事実です。そして花嫁はあたかも自分が「顔おおいをつけた女のように」、部外者であると感じているということです。「顔おおいをつけた女のように」という部分をフランシスコ会訳は「ベールで顔を覆った女のように」と訳していますが、岩波訳では「さまよい歩く者のように」と訳しています。いずれにしても、花嫁は花婿の仲間とは異なる存在であることが分かります。

2. おとめたちの助言

  • 1章8節は、花婿を捜している花嫁の問い(7節)に対して、「おとめら」(1:3)が、あるいは「エルサレムの娘たち」がそれに答えていることば(歌)です。花嫁の周囲には花嫁に対して好意的な者もいれば、妬む者もいたに違いありません。ですから8節のことばを、花婿に愛されている花嫁に対して好意的に解釈するべきか、あるいは多少やっかみの込められた皮肉なことばとして解釈するべきか、いずれにも解釈できるところですが、重要なことは、おとめらがこの花嫁が花婿から愛されていることを知っているという事実なのです。

【新改訳改訂第3版】雅歌 1章8節
女のなかで最も美しい人よ。
あなたがこれを知らないのなら、羊の群れの足跡について行き、
羊飼いの住まいのかたわらで、あなたの子やぎを飼いなさい。

  • 「おとめたち」の助言は、羊の群れの足跡について行くなら、その羊の羊飼いこそあなたの花婿だと告げています。そしてその羊飼いの住まいのかたわらで、「あなたの子やぎを飼いなさい」と言っています。この「あなたの子やぎを飼いなさい」とは何を意味しているのでしょうか。羊飼いである花婿の周りには花婿の仲間がいるのですが、その方の住まいのかたわらで待っていれば、花婿が必ずそこに帰って来て、「親しくデート(逢引)できるよ」と勧めていることばなのかもしれません。なぜなら、花嫁は一途に花婿を慕っているのですから。事実、1章9節では花嫁に対する花婿のことばが初めて語られています(それは次回で扱います)。

3. おとめらの花嫁に対する評価

  • 順序が逆になりましたが、5節で「美しい」と訳された原語は「ナーヴァー」(נָאוָה)という形容詞でしたが、8節の「美しい」は形容詞の「ヤーフェ」(יָפֶה)が使われています。実は、この形容詞は女性のみならず男性に対しても使われています。
  • 聖書の中でこの「ヤーフェ」(יָפֶה)が使われている人物を挙げてみたいと思います。

(1) サラ
●創世記12章11節
(2) ラケル
●ラケルの前に、イサクの妻となったリベカも「美しかった」(創世記26:7)と聖書にあります。しかしその「美しさ」の原語は「トーヴ」(טוֹב)となっています。
●ヤコブの妻となったラケルは夫ヤコブから愛されました。彼女は容姿も顔立ちも美しかったとあります(創世記29:17)。
(3) ヨセフ
●ヤコブとラケルから生まれたヨセフは、顔も体つきも美男子でした(創世記39:6)。
(4) ダビデ
●紅顔の美少年で姿も立派でした(Ⅰサムエル16:12)。
(5) アビガイル
●アビガイルはナバルの妻でしたが、ナバルが死んだためダビデの二番目の妻(ちなみに、一番目の妻はミカル)となりました。彼女は「聡明で美人であった」とあります(Ⅰサムエル25:3)。箴言11章22節で、どんなに美しくても、たしなみのない女は金の輪が豚の鼻にあるようだとたとえているように、賢いことは美人の一つの資質であったということです。
(6) アブシャロム
●アブシャロムはダビデの四番目の息子です。頭がきれるだけでなく、つま先から頭まで非の打ちどころのない人物でした。ダビデに対してクーデターを企みましたが、神によって失脚させられました。
(7) タマル
●聖書に出てくるダビデの唯一の娘であり、アブシャロムの妹でした。彼女も美しい人でした。
(8) 晩年のダビデを介助した若き娘
●その女性の名前は「シュネム人の女アビシャグ」です。この娘は非常に美しかったとあります(Ⅰ列王記1:4)。
(9) エステル
●ペルシヤの王アハシュエロスの王妃となったエステルは、ペルシヤ中で最も美しい娘でしたが、彼女はユダヤ人モルデカイの養女で、彼女もユダヤ人でした。姿も顔立ちも美しかったとあります(エステル記2:7)。彼女の知恵でユダヤ人撲滅を図ったハマンを逆にはめて、いのちを賭けてユダヤ人を救った人でした。
(10) ヨブの娘たち
●ヨブが悔い改めて新しく与えられた娘たちは、ヨブが住む国のどこにもいないほどに美しかったとあります(ヨブ42:15)。


  • 雅歌の「花嫁」も同じく「美しい」と評価されているのです。「美しい」と訳された「ヤーフェ」(יָפֶה)は、旧約で42回使われていますが、そのうちの13回は雅歌で使われています。次は創世記の9回です。ですから、「ヤーフェ」(יָפֶה)は雅歌の特愛用語と言えるのです。以下は、雅歌での「ヤーフェ」の13回の引用箇所です。

    1章8, 15, 15, 16節
    2章10, 13節
    4章1, 1, 7節
    5章9節
    6章1, 4, 10節


2015.8.7


a:3012 t:2 y:2

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional