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恩寵用語Ps110

詩110篇「打ち砕く」 מָחַץ マーハツ

〔カテゴリー統治〕

6節「あなたの右にいます主は、御怒りの日に、王たちを打ち砕かれる。」
7節「主は国々の間をさばき、・・広い国を治めるかしらを打ち砕かれる。」

Keyword;「打ち砕く」 crush, crushed completely, shatter,
18:38/68:21, 23/110:5, 6/

  • 神の救いの計画における最終的な正義が執行される意味での恩寵としての「打ち砕く」と訳されたマーハツ(מָחַץ)は、旧約14回、詩篇では5回使われているだけです。マーハツは、特に敵の王、あるいは敵の頭に対して、二度と立てないように「打ち砕く」「完全に粉砕する」「完全につぶす」「激しく打つ」ことを意味しています。味方にとっては完全な勝利ですが、敵にとっては完全な敗北の時です。
  • イエスは「天の御国」のたとえとして、良い麦の中に毒麦も姿を現わしたのを見たしもべたちが、それを吹き集めましょうと提案したしもべたちに、毒麦を抜き集めるうちに、良い麦もいっしょに抜き取るかもしれないという細心の配慮から、収穫の時までそのままにしておく人のようだと言われました(マタイ12:24~30)。今の時代は「すでに」神の国の支配が存在していますが、同時に「いまだ」未完成です。しかしやがて確実に毒麦を抜き取る時がやってきます。
  • 詩110篇はメシア詩篇(Messianic Psalms)です。メシアがどのような方であり、やがて何をなされるのか、どのような行動を取られるのかを様々な面から啓示されている詩篇です。特に、この詩110篇は新約で14回も引用されており、ひとつの詩篇が引用される回数としては最も多い詩篇です。しかも、いずれも主イエス・キリストに当てはめられています。
  • 内容的には以下の内容が語られています。人間的には考えられないことでした。

    (1) キリストの昇天と御父の右の座への着座
    (2) キリストの大祭司としての務め
    (3) キリストの再臨の戦い(ハルマゲドン)と千年王国の到来

    が含まれて預言されています。ダビデはこのことを聖霊によって霊感されて語ったと言えます。ダビデがこのことに目が開かれていたかどうか分かりません。メシア的詩篇における預言の場合、必ずしもそれを語る本人がその真意を悟ることなく語る場合もあるのです。新約の光によってはじめてそれが正しく理解することができます。
  • 神の最終的な勝利、敵の完全な粉砕が約束されていることにいつも光を当てることで、今の時代の不条理な現実、清濁併せ持つ現実においていかに対処すべきかが分かってきます。今は、御座の右におられる小羊(アルニオン、つまり、勝利の小羊)が、私たちを決して失われることのない大切な良い麦として守っていて下さるのです。私たちはこの恵みにしっかりと応えなくてはなりません。それはイエス・キリストのみを仰ぎ見て生きることを意味します。

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