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詩16篇 「堅く保つ」 תּמַךְ ターマフ

〔カテゴリー防衛〕  

5節「あなたは、私の受ける分を堅く保っていてくださいます。」(新改訳)
5節「主はわたしの運命をささえる方」(新共同訳)
5節「あなたはわたしの分け前を守られる。」(口語訳)
5節「私のなりゆきは、あなたの御手に。」(バルバロ訳)

Keyword; 「堅く保つ、守る、支える」hold, make secure, uphold,16:5/17:5/41:12/63:8

  • 「堅く保つ」と訳された「ターマフ」(תּמַךְ)は、旧約で21回、詩篇では4回だけ使われている神の保護、防衛用語です。堅く守る、強く支えると言った強固な、不動なセキュリティ、保護・保障をイメージすることばです。
  • 詩16篇5節では何が堅く保たれるのかと言えば、「私の受ける分」(新改訳)だとしています。「受ける分」と訳された原語は「ゴーラール」(גּוֹרָל) で、相続した土地の四隅に置く目印の石を表わします。イスラエルの各部族はそれぞれ財産として土地が賦与されましたが、レビ部族だけは土地ではなく、神ご自身が相続地でした。ですから、「主は私の受ける分」と告白している作者はレビ人であったか、あるいはその思想に目が開かれた者だったと言えます。他の訳をみると、「受ける分」を「分け前」(口語訳)、「運命」(新共同訳)、「ゆくえ」(フランシスコ会訳)、「くじ」(関根、岩波訳)、「なりゆき」(バルバロ訳)とそれぞれ訳しています。
  • 旧約における「ゴーラール」(גּוֹרָל)は土地という財産のことでした。確かに、アブラハムに約束された土地取得は、やがてイスラエルの民にとっても実現される時が来ます。ユダヤ人にとっては約束の地が完全な形で与えられることが御国の到来なのです。土地が分け前ということから転じて、人の人生のすべてを意味するようになっていきます。つまり、ここでは主は私の人生のすべてのゆくえ(運命)を決める方であることを意味します。
  • 新約における財産は霊的なものです。つまり、「キリストにある栄光の富」(ピリピ4:19)、「天あるすべての霊的祝福」(エペソ1:3)、あるいは「朽ちることも、汚れることも、消えて行くこともない、天にたくわえられている資産、すなわち、生ける望み」(Ⅰペテロ1:3)のことです。これがキリスト・イエスにあって私たちにたくわえられています。それは神の力によってしっかりと守られており、終りのときに現わされるように用意されているのです。私たちはやがてそれを受け継ぐことが保障されている。その中の一部を私たちは前味として、今、地上で味わっているわけです。決して失われることのない天の宝です。
  • 主イエス・キリストは「自分の宝を地上にたくわえるのはやめなさい。自分の宝は天にたくわえなさい」と言われました(マタイ6:19~20)。その意味するところは、地上の宝はやがてさびがつき、喪失する運命にあるからです。また、「宝のあるところに心もある」とも言われました。天に備えられている宝に心を傾けて生きるようにとイエスは諭されたのです。自分の心がどこに向けられているのかを、常に、点検しながら生きたいものです。

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