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恩寵用語Ps26

詩26篇「弁護する」 שָׁפַט シャーファト

〔カテゴリー防衛〕

1節
「私を弁護してください。主よ。私が誠実に歩み、よろめくことなく、主に信頼したことを」

Keyword; 「弁護する、さばく」 7:8/10:18/26:1/35:2/72:4/82:3

  • 「弁護する」というシャーファト(שָׁפַט)は法廷用語です。「裁く」がもともとの意味ですが、正しく裁くことで私を弁護してほしいという祈りがこの詩篇の冒頭にあります。なぜなら、作者はこれまで「よろめくことなく、主に信頼し」、「誠実に歩んできた」からと確信をもって述べています。
  • 1節の「私は誠実に歩んだ(完了形)」、3節の「私はあなたの真理のうちを歩み続けました(完了形)、11節の「私は誠実に歩みます(未完了形)」が目立ちます。特に11節では、これまでも歩み続けてきたし、これからもそのように歩み続けていくという強い意志が述べられています。
  • 三つの節には、いずれも、原文直訳では「・・の中に(で)」を表わす「ヴェ」(בְ)が使われています。英語ではinに当たる前置詞です。
    ①場所を表わす意味、
    ②そのものとのかかわりを表わす意味、
    ③そのかかわりが一層強くなって依存関係を表わす意味
    があります。
  • ここでは②と③の意味です。新改訳では「誠実に」と訳されていますが、新共同訳では「完全な道の中に」と訳しています。「・・の中に歩む」ということは、神とのかかわりにおける密接な信頼関係をもって自発的に歩んできたことを意味します。英語で、I believe in とかI trust in と表現されるのも同様の意味合いを持っていると思います。作者は「誠実に」「あなたの真理(真実)のうちを」歩んできたし、これからもそのような歩みをしていこうとしているので、主に対して「私を弁護してください」と強く訴えているのが1節冒頭の祈りです。
  • 法廷において必要なのは有能な弁護者です。使徒パウロはロマ書8章で次のように述べています。
    「神が私たちの味方であるならだれが私たちに敵対できるでしょう。・・神に選ばれた人々を訴える者はだれですか。神が義と認めてくださるのです。罪に定めようとするのはだれですか。死んでくださった方、いや、よみがえられた方であるキリスト・イエスが神の右の座につき、私たちのためにとりなしていてくださるのです。私たちをキリストの愛から引き離すのはだれですか。・なにものも、私たちの主キリストにある神の愛から私たちを引き離すことはできません。」(31~38節)
  • 私たちが、どんなに「誠実に歩む」と言ったとしても、主の恵み(ヘセド)と真実(エメット)に支えられることなしには歩むことさえできない者です。神が私を義と認めてくださっている中で、自分の味方となってどこまでも弁護してくれる存在がいる中で、私たちははじめて「誠実に歩む」ことができるのだ、と気づかされることが大切なのだと信じます。

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