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恩寵用語Ps31(2)

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詩31篇(2) 「施す」 פָּלָא パーラー

〔カテゴリー賦与〕

21節「ほむべきかな。主。主は包囲された町の中で私に奇しい恵みを施されました。」(新改訳)
21節「―主は驚くべき慈しみの御業を都が包囲されたとき、示してくださいました。」(新共同訳)

Keyword; 「施す、示す、驚かす」 show, wonder, do marvelous
5:12/19:14/30:5,7/40:8/51:18/69:13/89:17/103:21/106:4/143:10/145:16, 19

  • 新改訳で「施された」と訳された原語は、「パーラー」(פָּלָא)の使役形の「ヒフリー」(הִפְלִיא)が使われています。「パーラー」(פָּלָא)とは「驚かす」という意味です。ちなみに、21節の直訳は「なぜなら、驚かせた、彼の恵みは、私を、町の中で、包囲の」です。つまり、ここでは神がその奇しい恵みをもって、不思議なことをして私を驚かせたというわけです。神の恵み(へセド)はいつも私たちを驚かせます。
  • 21節の「包囲された町で」の部分は、新改訳のように〔場所〕を表す訳や、新共同訳の「包囲されたとき」のように〔時や状況〕を表す訳もあります。あるいは口語訳のように「包囲された町のように」と〔比喩的〕に訳されてもいます。前置詞の「ベ」(בְּ)をどのように訳すかの違いのようです。いずれにしても、神が示された神の驚くべき恵みは変わりません。関根訳は、この詩篇のタイトルを「驚くべき恵み」としているほどです。
  • 私たちが、主をほめたたえたり、感謝したりすることも、ひとえに、この主の「奇しいわざ」「驚くべき御業」を経験することなしにはあり得ないことを示しています。この詩篇の作者は、不安にかられて、自分は神から切り離されたのだと感じました。
  • 神の恵み(へセド)は、神のいつくしみ(トーヴ)からもたらされます。19節には「あなたのいつくしみは、なんと大きいことでしょう。あなたはそれを、あなたを恐れる者のためにたくわえ、あなたに身を避ける者のために・・それらを備えられました。」と述べています。」とあります。ここでの「いつくしみ」が神の善(goodness)であり、神の「トーヴ」(טוֹב)です。「たくわえる」と訳されたことばは、「サーッタル」(סָתַּר)「隠す」ということばで、20節にも「隠ればに隠す」というところで使われてます。神のトーヴはいつも隠されたところにたくわえられているのです。それを主に身を避ける者のために備えて(「ツァーファン」צָפַן)くださるのです。
  • 神の民イスラエルが捕囚の憂き目を経験したとき、預言者エレミヤは「あなたがたが滅びうせなかったのは、主の恵みよる。主のあわれみは尽きないからだ。それは朝ごとに新しい。」(哀歌3章22, 23節)と述べ、「主のいつくしみ(トーヴ)は深い」(25節)、「主の救いを黙って待つのは良い(トーヴ)」(26節)、「人が若い時に、くびきを負うのは良い(トーヴ)」(37節)と「トーヴ」を3回も重ねて語っています。なぜ「良いのか」、それは「主は人の子らを、ただ苦しめ悩まそうとは思っておられない」からだとその理由を述べています。主のトーヴ(טוֹב)は、計り知れない「恵み」となって、「あわれみ」と「忍耐」となって表わされます。まさに、主のいつくしみは大きく、いとも深いのです。

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