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恩寵用語Ps57

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詩57篇「すべてを成し遂げる」 גָּמַר ガーマル

〔カテゴリー統治〕

2節「私はいと高き方、神に呼ばわります。私のために、すべてを成し遂げてくださる神に。」(新改訳)

Keyword; 「すべてを成し遂げる」 fulfill, 7:9/12:1/57:2/77:8/138:8

  • 作者が神をどのように信じていたかを表わす信仰告白をこの詩篇では「すべてを成し遂げる神」と表現しています。「すべてを成し遂げる」と訳されたガーマル(גָּמַר)は、旧約で5回、すべて詩篇で使われている言葉です。詩篇特愛用語です。
  • ガーマル(גָּמַר)の原義は、終わる、終わらせる、あとがない、永久に絶つという意味ですが、恩寵的な意味で用いられている場合には、神がひとたび約束されことは必ず実現してくださるという意味で使われています。詩篇の57:2と138:8は、いずれも神の個人に対する恩寵として使われています。
    「私のために、すべてを成し遂げてくださる神に」(57:2)
    「主は私にかかわるすべてのことを、成し遂げてくださいます。」(138:8)
  • 神は約束の実現者であり、遂行者であるという告白であり、確信です。同義語としてはシャーレム(שָׁלֵם)「報いる、誓いを果たす」があります。
  • 信仰の父と言われたアブラハムの生涯は、ただ神の約束にだけ基づいて生きる生涯でした。彼は神の約束の言葉に生涯を賭けて、故郷を捨て、まだ見ぬ未知の土地に向かって旅立ちました。また、彼はカナンの地を与えるとの約束を信じ、またそれを受け継ぐべき子孫が、空の星のようになると言う神の約束を信じました。さらには、約束を受け継ぐイサクを捧げよとの命令を受けた時にも、神の約束は死によっても廃ることはないと信じました。こうして、アブラハムはすべて神を信じる者たちの父となったのです。彼のように神の約束に自分の全存在を賭けて生きること、これが信仰であり、神と人とのかかわりの基本といえます。
  • アブラハムに対する神の約束はいまだ完全には実現していません。しかし、歴史は着実にその実現に向けて進んでいます。その約束の保証はイエス・キリストの十字架と復活の出来事です。その出来事は、アブラハム(あるいはダビデ、イスラエル)に対してなされた神の約束の成就のしるしであり、また同時に、キリスト再臨時における完全な成就の保証といえます。
  • 旧約聖書には「約束する」という固有の動詞はありません。それに相当するへブル語はアーマル(אָמַר)です。「言う、語る」という意味です。神がひとたび語られたことは必ずそのとおりになるという意味のガーマル(גָּמַר)、この二つのヘブル語の語根を見ると、頭の文字がアーレフ(א)とギメル(ג)の違いこそありますが、とても近似しています。語源的に何か密接な関係があるのかもしれません。

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