恩寵用語Ps6(1)
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詩6篇(1) 「いやす」 רָפָא ラーファー
〔カテゴリー救出〕
2節b「主よ。私をいやしてください。私の骨はおそれおののいています。」
Keyword; 「いやす」 heal, 6:2/30:2/41:4/60:2/103:3/107:20,
- 「いやしてください」という嘆願は、出エジプト記15:26にある「もし、あなたがあなたの神、主の声に確かに聞き従い、主が正しいと見られることをおこない、またその命令に耳を傾け、そのおきてをことごとく守るなら、わたしはエジプトに下したような病気を何一つあなたの上に下さない。わたしは主、あなたをいやす者である。」という啓示に支えられています。
- 「いやす」と訳される「ラーファー」(רָפָא)は旧約で67回、詩篇では7回使われています。この言葉は本来、「癒す」「直す」「(祭壇を)立て直す」「(水を)良くする」といった意味があります。ここ詩篇6篇では、作者が病気のゆえに存在の不安を覚えています。「私の骨」とは自分の存在そのものを表わすメタファーです。
- 健康に対する願いはいつの時代にもありますが、今日のように医学の発達していない時代においては、病気はいつも死と隣り合わせだったと思います。それは不安を駆り立て、恐れおののかせるものであったと思います。「いやし」と「救い」はまさに同義でした。主に対する不信と不従順の罪は病をもたらします。モーセの姉ミリアムがモーセを非難したとき、主の怒りにふれてツァラアトにされました。そのために7日間宿営の外に締め出されました。もしモーセが「どうか、彼女をいやしてください」ととりなさなかったならば、彼女は宿営の中に連れ戻されることはなかったかもしれません。
- 預言者ホセアは背信したイスラエルの民に、主に立ち返ることを訴えました。
「さあ、主に立ち返ろう。主は私たちを引き裂いたが、また、いやし、私たちを打ったが、また、包んでくださるからだ。」(ホセア6:1)。そして、「わたしは彼らの背信をいやし、喜んでこれを愛する。」(ホセア14:4)と約束されています。ここでは「いやす」ことが「ゆるす」という意味で使われています。
- 「いやし」は神の子どもたちに与えてくださる神の恩寵であり、賜物です。詩篇では、主のいやしの恩寵が多く告白されています。
30:2 「主よ。私があなたに叫び求めると、あなたは私を、いやされました。」
103:3 「主は、あなたのすべての病をいやし・・あなたの一生を良いもので満たされる。」
107:20「主はみことばを送って彼らをいやし、その滅びの穴から彼らを助け出された。」
147:3 「主は心の打ち砕かれた者をいやし、彼らの傷を包む。」
- 主イエスはその憐れみによって、病気で苦しむ多くの者をいやされました(マタイ9:35)。