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恩寵用語Ps69(2)

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詩69篇(2) 「高く上げる」 שָׂגַב サーガヴ

〔カテゴリー救出〕

29節「・・神よ。御救いが私を高く上げてくださるように。」」(新改訳)
29節「・・神よ。あなたの救いがわたしを高い所に置かれますように。」(口語訳)

Keyword; 「高く上げる、保護する、強大にする」 lift high, protect, be keep,
20:1/59:1/69:29/91:14/107:41/139:6/148:13

  • 「高く上げる、高い所に置く」と訳されたサーガヴ(שָׂגַב)は、旧約で20回、詩篇では7回使われています。このことばが礼拝用語として用いられるときには、神を「あがめる」という意味ですが、恩寵用語として用いられるときには、神が人を「高く上げる」「保護する」「強める(強大にする)」という意味になります。
  • ちなみに、詩篇で「高く上げ」と訳されているのは59:1、69:29、91:14、107:41の四箇所です(ただしいずれも新改訳。NIV訳では107:41のlift以外は、すべてprotectが当てられています)。つまり、「高く上げる」というのは、「守る、保護する」と同義であることが分かります。
  • 本文では嘆願として使われていますが、状況としては、作者が自分は「苦しんでいます」(v.20)、「ひどく病んでいます」(同)、「奔流が私を押し流しています」(同)、「悩んでいます」(v.29)、「病んでいます」(v.29)とあるように、悩みと心の痛みの中で自分の置かれている状況を訴えています。それは、さげすみそしり、のけもの、孤独-同情する者も慰める者もだれひとりとしていないーゆえの苦しみと心の痛みです。
  • そんな状況の中で作者は神に呼びかけています。「私を高くしてくださるように」と。現代の日本の若者たちには「悩む力」が欠けていると言われます。「悩む力」とは、問題意識、危機意識を持つ力です。その力が希薄であるということは悩まないということであり、問題意識が希薄であるということです。
  • 詩篇の作者は、悩みの中で、主の保護を求める同時に「私は神の御名を歌をもってほめたたえ、神を感謝をもってあがめます。・・それは主に喜ばれる」(30節)ことだとしています。問題が解決してから、悩みがなくなってからではなく、そのただ中で神を賛美できることは、神によって高く上げられた証拠です。それは容易にできることではありません。
  • 肉体的な痛み、心の痛みは、ときには生きる意欲を失わせ、集中力さえ奪ってしまいます。痛みに心のすべてが集中してしまいやすいのです。しかし、詩篇の作者は神によって力づけられ(strength)、強められて、高くされています。傍目から見るならば、神によって「守られている」ように見えるはずです。これはやがて私たちの救い主として来られるイエスの姿を指向しています。そしてそのような姿を見て、「柔和なる者はこれを見て喜ぶ。ヤーウェを求める者よ、君たちの心は生きる」 (32節、関根訳)としています。信仰の創始者であり完成者であるイエスを仰ぎ見るとき、このことが私たちの内に実現するのです。

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