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恩寵用語Ps77(3)

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詩77篇(3)「贖う」 גָּאַל ガーアル

〔カテゴリー救出〕

15節「あなたは御腕をもって、ご自分の民ヤコブとヨセフの子らを贖われました。」(新改訳)

Keyword; 「贖う」redeem, rescue, 19:14/69:18/72:14/78:35/103:4/106:10/107:2/119:154

  • 「贖われる」と訳されたガーアル(גָּאַל)は聖書においてとても重要な神の恩寵を意味する動詞です。旧約では103回使われています。詩篇では11回と少ないのですが、レビ記、ルツ記、イザヤ書の特愛用語です。
  • ガーアル(גָּאַל)の原義は、「買い戻す」(buy back)ことです。神から与えられた土地をなんらかの理由で処分しなければならなくなった場合、最も近い親戚(ゴーエール)がそれを買い戻さなければなりませんでした。そのことはレビ記25章、民数記35章、申命記25章に神の律法として詳しく示されています。もし子孫を残さずに死んでしまった場合は、遺された妻を娶り、その妻が最初に産んだ男の子に死んだ者の名前を継がせて、その名がイスラエルから消し去られないようにしなければなりませんでした。
  • このように、ゴーエール(買い戻す権利のある親戚)は、落ちぶれて困窮している兄弟、あるいは親類のために、金銭的な犠牲を払ってその苦境から救い出す義務と責任があることを律法によって定められていました。とはいえ、それはかなりの経済的な負担、そのうえ親類の妻と結婚するということになれば、おいそれと簡単に引き受けてくれるようなものではありませんでした。それをおいそれと引き受けてくれたゴーエールの物語がルツ記の物語です。ゴーエールは「近親者としての買い戻す義務を果たす者」という意味ですが、その背景には、神がご自身の民を「買い戻し」た出来事が根底にあります。エジプトにおいて奴隷となっていた民をその束縛から解放して、ご自身の民として買い戻されました。これが「贖い」です。ちなみに、名詞の「贖い」はゲウッラー(גְּאֻלָּה)。
  • 「贖う」ガーアル(גָּאַל)には、「買い戻す」という意味と、そこから派生して、奴隷から、死から、敵から「救い出す」という意味があります。買い戻すために身受けするということは、ある種の束縛、あるいは捕われの状態が前提となっており、その状態からの解放がまさに「贖う」いうことです。これは、やがては神の子イエス・キリストによって「罪からの救い」、「律法からの救い」「霊的な死からの救い」を意味する「贖い」へと展開していきます。買い戻すために払われる代価は、キリストご自身の血(命)でした。
  • イエス・キリストは言われました。「人の子が来たのも、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また多くの人々の贖いの代価として自分の命を与えるためです。」(マルコ10:45) イエス・キリストという方以外に、私たちが贖われる道はありません。キリストの血潮はそれほどに尊い代価であり、私たちは神に買い戻された者なのです。そのことを心から感謝し、永遠の「贖い主」である主イエス・キリストをほめたたえます。

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