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恩寵用語Ps84

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詩84篇「なんと幸いなことか」אַשְׁרֵי アシュレー)

〔カテゴリーその他〕

4節「なんと幸いなことでしょう。あなたの家に住む人たちは。」
5節「なんと幸いなことでしょう。・・その心の中にシオンへの大路がある人は。」
12節「なんと幸いなことでしょう。あなたに信頼するその人は。」

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  • 詩84篇には3回も同じ表現が出てきます。それは「なんと幸いなことでしょう」と訳されたアシュレー(אַשְׁרֵי)という名詞です。旧約では44回使われています。詩篇では26回使われていますから、詩篇特愛の用語だということができます。
  • 私たちの多くが、健康であること、高い地位に着くこと、競争に打ち勝ったり、自己実現できたりしていることを幸いだと考える傾向があります。しかし聖書の(特に詩篇)の言う「幸福感」はそれとは全く異なります。幸福なことはすべて、ある状況の中にいることではなくて、あくまでも「人」です。有名な詩1篇にも「幸いなことよ。その人は」アシュレー・ハーイーシュ(אַשְׁרֵי הַאִישׁ)で始まっています。つまり、幸いなこととはこういう人たちのことですと言い切っているのです。詩84篇によれば、「幸いなことは」・・

    ①「主の家に住む人」
    ②「心にシオンへの大路がある人」
    (※原文では「シオン」はありませんが、シオンは主の家、主が自ら臨在する場所として選ばれた所です。そこに向けた「大路」というのは「巡礼」を意味します。つまりシオンへの巡礼をしようとする熱意のある人という意味になります。)
    ③「主を信頼する人」

  • 詩84篇には、「雀さえも、住みかを見つけました。」「つばめも、ひなを入れる巣・・を見つけました。」とあります。「住みか」とは「居場所」を意味します。自分が安心して居られる居心地の良い場所を持っている人は幸いです。
  • 日本の社会の男性にとってはこれまで自分の居場所は仕事でした(今は様相が違って来ていますが・・)。職場で十分に活躍できて、そこで自分の居場所がもてるということは、居心地が最高に良くなります。そうすると、次第に家庭よりも、職場が自分の居場所になってしまいます。しかしそのような人はが退職して仕事を失ったとき、同時に、自分の居場所も喪失します。仕事人間にとって退職は悲劇の始まりです。団塊世代が退職を迎えようとするこれからの時代は、ひとつの大きな危機と言えます。
  • しかし、詩篇の作者は決して失われない自分の居場所を持つ人は最高に幸せな人だと言っています。神とのかかわりを与えられている人は、このことをいつも忘れてなりません。

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