恩寵用語Ps96
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詩96篇「さばく」 שָׁפַט シャーファト
〔カテゴリー統治〕
3節「確かに、地をさばく(שָׁפַט)ために来られる。主は、義をもって世界をさばき(שָׁפַט)、その真実をもって国々の民をさばかれる(שָׁפַט)。」(新改訳)
- 王の詩篇と言われる93~99篇の一連の詩篇の中に貫いている思想は、王である主の職務が「さばく」(シャーファト)ということです。王の統治が正しいさばきによってなされることは、私たちにとって恩寵なのです。しかも、公正をもって、義をもって、真実をもって、そして愛をもって。
最初の詩93篇では、
特に、王である主の風格が宣言されているのが特徴ですが、同時に、「王の御座はいにしえから堅く立ち」 (2節)、その御座は「さばき」の御座であることが、続く詩篇の中で明らかにされていきます。
詩94篇2節では、
①「地をさばく(שָׁפַט)方よ。立ち上がってください。高ぶる者に報復してください。」
①「全地の裁き手として立ち上がり」(新共同訳)
と嘆願の祈りがなされています。また、19節では、
②「さばき(מִשְׁפָּט)は再び義に戻り、心の直ぐな人はみな、これに従うでしょう。」
②「正しい裁きは再び確立し、心のまっすぐな人は皆、それに従うでしょう。」(新共同訳)
詩95篇では、さばきを表わす語彙はありませんが、荒野の40年間、贖われた民の第一世代が「心の迷う民、わたしの道を知ろうとしない民」に対して、怒って誓ったことば「確かに彼らは、わたしの安息に、はいれない。」が記されています。
詩96篇10節後半の
①「主は公正をもって国々の民をさばく(דִּין)。」(新改訳)
同篇の13節
②「確かに、地をさばく(שָׁפַט)ために来られる。主は、義をもって世界をさばき(שָׁפַט)、その真実をもって国々の民をさばかれる(שָׁפַט)。」(新改訳)
詩篇96篇では、特に、主が、地を(諸国の民を)さばくために「来られる」ということが強調されています。
詩97篇
①2節後半
「義とさばき(מִשְׁפָּט)が御座の基である。」(新改訳)
「正しい裁きが王座の基をなす」(新共同訳)
②同節、8節
「シオンは聞いて、喜び、ユダの娘たちも、こおどりしました。主よ。あなたのさばき(מִשְׁפָּט)のために。」
詩98篇
9節「確かに、主はさばき(שָׁפַט)のために来られる。主は義をもって世界をさばき(שָׁפַט)、公正をもって国々の民を、さばかれる(שָׁפַט)。」
詩99篇
4節「王の力は、さばき(מִשְׁפָּט)を愛する。・・あなたは、ヤコブの中で、さばき(מִשְׁפָּט)と正義を行われた。」
- 王としての職務は、正しく、公平に、真実をもって「さばく」ことにあります。
ヘブル語の「さばき」(ミシュパート、מִשְׁפָּט)は、王の統治理念を表わすことばです。
- ソロモンがギブオンで王として即位したとき、主は夢の中で彼に現われ「あなたになにを与えようか。願え。」と仰せられました。ソロモンは「善悪を判断してあなたの民をさばくために聞き分ける心をしもべに与えてください。」と言いました。この願い事は主の御心にかなったと記されています。
- ソロモンに与えられたさばきの知恵は、ふたりの遊女の訴えをさばいた話(列王記第一、3章16~27節)―「どちらが本当の母親か」ーによく描かれています。