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悔い改めないなら・・、実を結ばないなら・・

44. 悔い改めないなら・・、実を結ばないなら・・

【聖書箇所】13章1節~17節

はじめに

  • 1~5節では、ピラトによる反ローマをかかげるガラリヤ人に対する虐殺がイエスに伝えられました。新改訳では「ピラトがガリラヤ人のたちの血をガリラヤ人たちのささげるいけにえに混ぜた」と表現しています。そうした報告がイエスに伝えられた時、イエスの語ったことばが2~5節に記されています。2~3節、4~5節のいずれも「~よりも罪深い人たちだったとでも思うのですか。そうではない。わたしはあなたがたに言います。あなたがたも悔い改めないなら、みな同じように滅びます。」という文章で繰り返されています。
  • ここでのテーマは「悔い改め」の重要性です。私たちはだれかが災難に遭うと、彼らは「罪が深かったから」そのような災難を受けたのだと思うことがあります。しかしイエスは、罪の深さや大きさを問題にはしていません。大切なことは、罪を悲しんで「悔い改める」ことです。

1. 「悔い改め」には猶予がある

「悔い改めないなら、災害に遭おうと遭うまいと関係なしに、自分に滅びを招くことをイエスは語っています。悔い改めには時間的な猶予がありますが、その許容範囲を超えるなら、取り返しのつかないことになります。そのことを教えようとしたのが以下の「いちじくの木をぶどう園に植えた主人とその番人」のたとえ話です。

【新改訳改訂第3版】

13:6 イエスはこのようなたとえを話された。「ある人が、ぶどう園にいちじくの木を植えておいた。実を取りに来たが、何も見つからなかった。
13:7 そこで、ぶどう園の番人に言った。『見なさい。三年もの間、やって来ては、このいちじくの実のなるのを待っているのに、なっていたためしがない。これを切り倒してしまいなさい。何のために土地をふさいでいるのですか。』
13:8 番人は答えて言った。『ご主人。どうか、ことし一年そのままにしてやってください。木の回りを掘って、肥やしをやってみますから。
13:9 もしそれで来年、実を結べばよし、それでもだめなら、切り倒してください。』」

  • このたとえ話は、人が自ら罪に対する悔い改めによって実を結ぶことが期待されています。ぶどう園の主人は、いちじくの実がなるのをこれまで3年間待ったのです。切り倒されたも致し方のない木です。ところがその木を世話している番人は、「ことし一年そのままにしたやってください。木の回りを掘って、肥しをやってみますから」と言って、切り倒すことを延期するよう主人に頼み込んでいます。そして、来年、実を結ばないなら、切り倒してください。」と言っています。
  • このたとえは、イエスが言われたように、悔い改めのチャンスが与えられても、どうしても悔い改めないなら、例外なく、滅びるということです。と同時に、人が「悔い改める」神の忍耐と葛藤を表わしています。

2. 「悔い」と「悔い改め」の違い

  • イエスの弟子の中に、イエスを裏切って銀貨30枚で売ったイスカリオテのユダと、やはりイエスを裏切って、イエスのことを知らないと言ったペテロがいます。二人ともイエスを裏切ったのですが、その結果は異なっています。イスカリオテのユダは自分のしたことを「悔い」ましたが、「悔い改め」ことなく自殺しています。ペテロは罪としてはユダ以上に罪深いかも知れませんが、自分の犯した罪を「悔い」で泣き、その後「悔い改め」ています。そのことを知ったイエスはペテロの罪を赦しました。それゆえペテロは弟子たちのリーダーとなっていっていくことができたのです。
  • 罪の問題は自分で決して処理することはできません。ただ神に顔を向けて、神からの赦しを受け取るだけなのです。「もし、自分の罪を言い表わすなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。」(Ⅰヨハネ1:9)とあるように、神の子とされた私たちは、日々、罪を犯す者です。その罪を私たちのうちに留めておくことは、私たちを霊的に不健康にするどころか、その影響は周囲に広がって行きます。その罪を告白して自分の内からは吐き捨てなければ、神との交わりのいのちは枯渇して死と滅びを招くのです。

3. 福音と悔い改め

  • 神の福音、真の福音は人間に神への徹底した悔い改めを要求します。すなわち、悔い改めとは、神なき人間の存在意義の否定です。神による罪の赦し、地獄からの救いをもたらす福音ではなく、単なる、不安からの解放、孤独感からの救い、絶望感からの解放でしかない福音は、人間中心的方向へと流れる懸念があります。
  • 人間は、自分の永遠の運命を決定するお方として、全人格を持って認め、その方にひれ伏すべきです。

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