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新しいエルサレム神殿 (1) 門と外庭と内庭

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38. 新しいエルサレム神殿 (1) 門と外庭と内庭

【聖書箇所】 40章1節~49節

エゼキエルに啓示された新しい神殿の平面図

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エゼキエルに啓示された新しい神殿の立体図

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ベレーシート

  • エゼキエルに啓示された新しい神殿の幻の日付は、エゼキエル本人も含むイスラエルの民が捕囚となってから25年目(B.C.572)第一の月の十日です。エルサレムが陥落してから14年目のことでした。エゼキエルは、幻のうちにイスラエルの地に連れて行かれ、「非常に高い山の上」に降ろされます。この「非常に高い山」とはシオンの山と考えられます。なぜなら、イザヤ書2章2節に「主の家の山は、山々の頂に堅く立ち、丘々よりもそびえ立ち」とあるからです(脚注)。エゼキエルはそこで新しい神殿の幻を見せられたのです。それはエゼキエルがこの幻をイスラエルの家に告げ知らせるためでした。
  • この神殿は第四神殿とも言われ、キリスト再臨後の千年王国時代にエルサレムに建てられるとされる神殿です。メシアの支配する時代は、このエルサレム神殿が全地の礼拝の中心であり、また政治の中心となるようです。さまざまな異論がある中で、聖書が語っているあるがままのこの幻を理解する必要があります。

1. 青銅のように見えるひとりの人が持っている測りざお

  • エゼキエルは青銅のように光り輝く一人の人に出会います。その人の手に麻のひもと測りざおとをもって門のところに立っていました。この人はいわば測量士のようです。彼の手にしている測りざおは6キュビトでした。エゼキエル書40章以降の寸法は、これまで1キュビト(肘から指先までの長さ45.6cm)に一手幅分(6/45.6=1/6, 7.6cm)を加えたロング・キュビトを1キュビト(53.2cm)としています。したがって、測量士は1キュビト(53.2cm)の麻ひもと、6キュビト(3.19m)の測りざおを手にしてしていたことになります。この寸法で全体の概観の大きさを知ることができます。
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  • 動詞の「マーダド」(מָדַד)は旧約で52回。そのうちエゼキエル書は36回。40章だけでも16回の使用頻度です。この動詞が旧約で最初に言及されているのは荒野でのマナを計った箇所(出16章)で、自分に必要な分を集めることができました。名詞の「ミッダー」(מִדָּה)は旧約で54回。うちエゼキエル書は25回です。40章だけでも12回の使用頻度です。いずれもエゼキエル書の特愛用語です。重要なことは、モーセの時代の幕屋でもそうでしたが、幕屋も神殿も各パーツがすべて神の定めた寸法どおりに正確に作り、そしてつなぎ合わせる必要がありました。幕屋と神殿の本体がイエス・キリストを表わすとすれば、イエス・キリストはすべてにおいて完全でなければならないのです。その生涯のありとあらゆることが、語られたひとつひとつのことばとなされたひとつひとつの行為が、寸法どおり、つまり旧約のどこかと関連しており、その完全な成就の実現者であったということです。

    【新改訳改訂第3版】マタイの福音書5章17~18節
    17 わたしが来たのは律法や預言者を廃棄するためだと思ってはなりません。廃棄するためにではなく、成就するために来たのです。
    18 まことに、あなたがたに告げます。天地が滅びうせない限り、律法の中の一点一画でも決してすたれることはありません。全部が成就されます。

  • 「さお」と訳されたヘブル語は「カーネ」(קָנֶה)で、やがてこの語が「カノン」とも呼ばれ、すべての基準や生活の規範を表わす語彙となります。新しい神殿のすべての寸法が定められた厳格な寸法によって建て上げられるように、神と人とのかかわりも規範となるべき「カーネ」によって、すなわち神のトーラー(みおしえ)によって建て上げられることを意味しています。
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2. 外庭と内庭の門(5〜37節)

  • 神殿にはそれを取り囲む外壁があります。その外壁の厚さは6キュビト、つまり1ざお分で3.19mです。神殿の敷地は一辺が500キュビト(266m)を持つ正方形です。外壁には西側を除く、方角(東向き、北向き、南向き)にそれぞれ門があります。外庭に入るための三つの門、内庭に入るための門がそれぞれ三つで、合わせて6つの門ありますが、すべて同寸法です。しかもそれらの門はすべて神殿の敷地の中心にある「祭壇」に向けられています。
  • 門に入る手前に階段がありますが、外庭の門には7段の階段、内庭の門に入るためには8段の階段があり、本殿に入る一つの門の前には10段からなる階段があります。
  • 外庭と内庭の門の構造は右図の通りです。門の間は6キュビト(3.19m)。門の通路には、その両脇の壁にそれぞれ三つずつ設けられた「控え室」があり、その一つの控え室は縦横6キュビトの正方形です。これらの控え室は見張り番の部屋で、門から入って来る者たちを見張る者が使用していました。ここにエデンの園を耕し、守る務めを与えられたアダムのひとつの姿があります。
  • 控え室に戸はありませんが、仕切りがあり(12節)、格子窓もありました(16節)。控え室と控え室の間にある仕切りの厚さは5キュビト。

3. いけにえをほふるための台(38〜43節)

4. 祭司たちの部屋(44〜47節)

5. 神殿の玄関の間(48〜49節)


最後に

(1) 神殿の完璧な美しさ
神殿全体を眺望する時、門の配置だけを見てもそこには美しいパターンがあります。外庭(俗に、女性の庭)と内庭(男性の庭)の距離が100キュビト、その距離は1辺が100キュビトからなる内庭の寸法と同じです。全体的に見て、そのコントラスト(対照性)、バランス(均衡性)、ハーモニー(調和性)の美しさはまことに驚くほどです。

(2) 神殿の中心は神への礼拝
神のご計画において神殿は重要な意味を持っています。なぜなら、
神殿の本質は神を礼拝することにあるからです。それは神に対する完全な愛と信頼をあらわすものであるからです。

(3) 黙示録21章との関連
エゼキエルは、聖霊に導かれて非常に高い山の上に連れて行かれます。そしてそこで「ひもと測りざおとを持った人」と話していますが、その情景はまさに黙示録21章10~15節とよく似ています。天から下って来た聖なる都エルサレムとその門とその城壁とを測る「金の測りざおを持っている者」が登場しているからです。この関連性を追求する必要があります。


脚注
信じられないような話ですが、黙示録16章18節にあるような大地震が起こった後だからです。「この地震は人間が地上に住んで以来、かつてなかったほどのもので、それほどに大きな、強い地震であった。」とあります。とすれば、地形も現在のものとはかなり異なったものとなることが推測されます。つまり、エルサレムもイスラエルでは最も高い山となるということです。


2013.7.9


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