****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

未占領地はいまだ多くあった

士師記の目次

1. 未占領地はいまだ多くあった

【聖書箇所】 1章1節~36節

はじめに

  • 士師記は「さて、ヨシュアの死後・・」と始まります。ヨシュアの時代において、イスラエルの民はヨルダン川を渡り、イスラエルの全地を取り、これを12の部族にそれぞれ相続地として割り当てられました。しかし実際には多くの未占領地が残っていました。それゆえ、ヨシュアはこれからの課題としたのです。これから士師記の瞑想に入る前に、ヨシュアの訣別説教の中で語られたことばを心に留めておきたいと思います。

【新改訳改訂第3版】ヨシュア記 23:4~8

4 見よ。私は、ヨルダン川から日の入るほうの大海まで、これらの残っている国々と、すでに私が断ち滅ぼしたすべての国々とを、相続地として、くじによってあなたがたの部族に分け与えた。
5 あなたがたの神、【主】ご自身が、あなたがたの前から彼らを追いやり、あなたがたの目の前から追い払う。あなたがたは、あなたがたの神、【主】があなたがたに告げたように、彼らの地を占領しなければならない。
6 あなたがたは、モーセの律法の書にしるされていることを、ことごとく断固として守り行い、そこから右にも左にもそれてはならない。
7 あなたがたは、これらの国民、あなたがたの中に残っているこれらの国民と交わってはならない。彼らの神々の名を口にしてはならない。それらによって誓ってはならない。それらに仕えてはならない。それらを拝んではならない。
8 ただ、今日までしてきたように、あなたがたの神、【主】にすがらなければならない。


1. 各部族の未占領地の事実

  • 士師記1章を読む限り、カナンの地の占領は継続されたにもかかわらず、決して容易ではなかったことをうかがわせます。以下のことばかそうです。
    「占領しなかった」(27節)
    「追い払わなかった」(19, 29, 30, 31, 32, 33節)
    その理由として記されているのは、
    (1) 谷の住民は鉄の戦車を持っていたこと。
    (2) むしろ逆に圧迫されたこと。
  • ダン族は敵を追い払うどころから、逆にエブス人から圧迫され、追いやられています。そのため、結果的にはカナンの中央部から、ガリラヤ湖北方に移動を余儀なくされる結果となっています(士師記18:27, 28)。「追い払わなかった」のではなく、「追い払えなかった」のです。それはエブス人が強力であったからでもありますが、むしろ信仰的、霊的な問題が根底にあったと言えます。
  • それゆえ、結果としてカナン人はその地に「住みとおした、住んだ」(27, 29, 30, 32, 33, 35節)のです。

2. 今日的課題

  • 約束の地を占領し、その地を神から受けた相続地として次の世代に継承していくという課題は今日的課題でもあります。士師記1章では、イッサカルの部族と東側に相続地を与えられた三つの部族を除いた8つの部族について(順に、ユダ族、ベニヤミン族、マナセ半部族、エフライム族、ゼブルン族、アシェル族、ナフタリ族、ダン族)取り上げられていますが、いずれも信仰によってカナン人を追い払い、その地を自分たちのものとしていく課題が等しくあったことが記されています。
  • キリストにおいて、天にあるすべての霊的祝福はすでに与えられています。しかしその祝福を自分のものとしていく信仰の戦いは、今日においても課せられています。信仰によってすでに与えられている祝福を豊かに掘り出して、それを自分のものとしていくだけでなく、それを次の世代にも継承していくという課題が、神の民はいつの時代にも背負っているのです。この意識を高めていくことが重要です。自分の身近な課題としての問題意識をもってこの士師記を瞑想するならば、神は多くの有益な示唆を私たちに与えてくれるに違いありません。

2012.4.11


a:8307 t:4 y:2

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional