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父ダビデから子ソロモンへの命令と指示

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22. 父ダビデから子ソロモンへの命令と指示

【聖書箇所】Ⅰ歴代誌 22章1~19節

ベレーシート

  • 22章には、神殿の場所が決定した後に、ダビデは本格的にその建設に向けた準備(すでにその準備は始まっていましたが)を始めていきます。17章で主が語られた「ダビデ契約」、つまり、「主がダビデのために一つの家を建てる」という約束とは別に、主のために宮を建てたいという志を持ち続けてきたダビデの思いがソロモンによって実現することが「彼がわたしの名のために家を建てる。彼はわたしにとって子となり、わたしは彼にとって父となる・・」という主からのことばとして受けとめられています。
  • ダビデの「ただ一つの願い」(One thing)は、「主の家に住むこと」でした(詩篇27:4)。「住む」ためには「家」を建てなければなりませんが、そのために注がれたダビデの情熱は尋常なものではありませんでした。そしてその情熱の影響力も尋常ではなかったのです(Ⅰ歴代誌29章)。

1. 「家を建てる」ということ

  • ダビデ契約における主のことばにしても、今回の22章のダビデの言葉にしても、共通していることは「家を建てる」ということです。22章には「建てる」を意味する「バーナー」(בָּנָה)が9回使われています(2, 5, 6, 7, 8, 10, 11, 19, 19)。これは単なる住むための家を建てるということではありません。神と人とが永遠に交わる家、その「家」(「バイト」בֵּית)は、「宮」「神殿」「子孫の系譜」「国家」「世界」をも含む概念です。ダビデ契約において主がダビデのために一つの「家」を建てるとは、ダビデ的王国を建てるということを意味します。これはやがてダビデの子孫から生まれるメシアによる王国を神ご自身が建て、その王座を堅くするという約束であり、神のご計画の時間軸ではメシアの地上再臨による「千年王国」において実現します。
  • 22章では、神の家としての「主の宮」「神殿」が、父と子によって成し遂げられるという点が、神のご計画における重要な点として示唆されているのです。
  • 家(ベート)において、父は家のリーダーであり、力と知恵をもって子を導き、教え、その子孫を継続させていく責任を担った存在です。父は子に対して大きな責任をゆだねられています。子は父に従順であることによって、はじめて「家」は建て上って行くのです。父と子が「家」を建てるということは、天における一つの真理の型なのです。

2. 父は子によって家を建てる

  • 天の御父は御子にすべての権限を託して、天と地の創造をまかせました。使徒パウロは神の秘密を啓示された使徒ですが、彼は次のように語っています。

    【新改訳改訂第3版】コロサイ書1章16~18節
    16 ・・万物は御子にあって造られたからです。天にあるもの、地にあるもの、見えるもの、また見えないもの、王座も主権も支配も権威も、すべて御子によって造られたのです。万物は、御子によって造られ、御子のために造られたのです。
    17 御子は、万物よりも先に存在し、万物は御子にあって成り立っています。
    18 また、御子はそのからだである教会のかしらです。御子は初めであり、死者の中から最初に生まれた方です。こうして、ご自身がすべてのことにおいて、第一のものとなられたのです。

    【新改訳改訂第3版】エペソ書1章10節
    時がついに満ちて、実現します。いっさいのものがキリストにあって、天にあるもの地にあるものがこの方にあって、一つに集められるのです。

  • 父である神は、御子によって世界を創られました。「万物」、「見えるものも見えないものも」、「天と地にあるすべて」は、御子によって存在している「ひとつの家」なのです。その家の中に、創造、堕罪、救い、御国、統治、王座、御国、栄光、シャーロームなどのすべてがあるのです。これが「わたしはあなたのために一つの家を造る」と言われた意味です。なんという壮大なご計画でしょうか。御父と御子が建てる「ひとつの家」に住むように、私たちは御子にあって招かれているのです。
  • 父である神の計画は子によって実現するという天の原則。そのために父は子にすべてのものを備えるという天の原則は、父ダビデと子ソロモンのみならず、父アブラハムと子イサクにも投影されています。創世記22章6節と8節には、「ふたりはいっしょに進んで行った」(6節)、「ふたりはいっしょに歩き続けた」(8節)とあります(原文ではいずれも同じ表現です)。父と子のふたりは常にいっしょに歩き続けた(ハーラフ)ことが強調されています。父と子はゆるぎない信頼で結ばれています。父であるアブラハムは子イサクにすべてを与え、子であるイサクは父アブラハムからすべて(家長の権威、家の財産、神の約束のすべてを)を受けています。ここには「天における御父と御子の麗しい信頼の写し」があります。
  • 御子イシュアのことを、ヨハネは「ことば」という概念で表わしました。そして「ことばは神と共にあった」と記しています(ヨハネの福音書1:1)。ここの「共に」という表現にはギリシア語の前置詞「プロス」(πρός)が使われており、「互いに向かい合っている関係」を意味しています。そのようなかかわりを、1章18節では「父のふところにおられるひとり子の神」と表現しています。そのような御子が、12歳になったとき、巡礼先のエルサレムで両親とはぐれてしまいました。はぐれたといってもイェシュアはそのままエルサレムに残り、宮の中で律法の教師たちと問答しておられたのですが、迷子になってしまったと思った両親は心配して捜し回り、三日後、エルサレムに引き返して宮の中にいるイェシュアを見つけました。そんな両親に対してイェシュアはこう言いました。「どうしてわたしをお捜しになったのですか。わたしは必ず自分の父の家にいることを、ご存じなかったのですか。」(ルカ2:50)と。

3. 父ダビデと子ソロモンによる主の宮の建設

  • 歴代誌に戻って、父ダビデが子ソロモンに対して語ったことばに注目したいと思います。

    新改訳改訂第3版 Ⅰ歴代誌22章5~

    5 ダビデは言った。
    わが子ソロモンは、まだ若く力もない。【主】のために建てる宮は、全地の名となり栄えとなるように大いなるものとしなければならない。それで私は、そのために用意をしておく。」

    こうして、ダビデは彼が死ぬ前に多くの用意をしておいた。
    6 彼はその子ソロモンを呼び、イスラエルの神、【主】のために宮を建てるように彼に命じた。7 ダビデはソロモンに言った。

    わが子よ。私は、わが神、【主】の御名のために宮を建てようとする志を持ち続けてきた。8 ある時、私に次のような【主】のことばがあった。『あなたは多くの血を流し、大きな戦いをしてきた。あなたはわたしの名のために家を建ててはならない。あなたは、わたしの前に多くの血を地に流してきたからである。9 見よ。あなたにひとりの子が生まれる。彼は穏やかな人になり、わたしは、彼に安息を与えて、回りのすべての敵に煩わされないようにする。彼の名がソロモンと呼ばれるのはそのためである。彼の世に、わたしはイスラエルに平和と平穏を与えよう。10 彼がわたしの名のために家を建てる。彼はわたしにとって子となり、わたしは彼にとって父となる。わたしはイスラエルの上に彼の王座をとこしえまでも堅く立てる。』

    11 そこで今、わが子よ、【主】があなたとともにおられ、主があなたについて語られたとおり、あなたが、あなたの神、【主】の宮をりっぱに建て上げることができるように。12 ただ、【主】があなたに思慮と分別を与えて、あなたをイスラエルの上に任命し、あなたの神、【主】の律法を守らせてくださるように。13 【主】がイスラエルについてモーセに命じられたおきてと定めをあなたが守り行うなら、あなたは栄える。強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。

  • 父ダビデのヴィジョンは子ソロモンに託されました。「わが子よ」と呼ぶ父の姿は、御子イェシュアが公生涯に入る時の御父の御声を想起させます。「あなたは、わたしの愛する子、わたしはあなたを喜ぶ」と(ルカ3:22)。そこに聖霊も寄り添うようして御子の上にとどまっています。
  • この御子イェシュアが、地上において「天にいます父よ」と呼びかけるのです。イェシュアの弟子たちはイェシュアがいつも祈っていた祈りを教えてくださいと求めたことで教えられました。その祈りこそ私たちが「主の祈り」と呼んでいるものです。そしてその祈りは、「家」(ここでは「御国」)を建て上げるための祈りなのです。しかもその「家」とは、天と地を結びつける「ひとつの家」なのです。
  • その「ひとつの家」がいつ建てられるのかといえば、メシア王国、すなわち千年王国においてです。そこはメシア支配・統治する家です。その王なるメシアの直属下で、君主としてよみがえったダビデがイスラエルに対して権威を持つことが預言されています(エレミヤ30:9、エゼキエル34:23~24/37:24~25、ホセア3:5参照のこと)。


2014.1.25


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