瞑想(2)「生かして下さい」
詩篇119篇の22の瞑想の目次
ר レシュ瞑想(2)「生かしてください」
- レシュの段落には、三つの「生かしてください」という言葉があります。詩篇119篇の「生かす」ハーヤーについての引照箇所はすでに・・・に取り上げてました。⇒参照
- 「私を生かしてください」(ハイェーニהַיֵּנִי)という嘆願の意味について考えてみます。詩篇23篇3節にある「主は、私のたましいを生き返らせ」という箇所の「生き返らせ」は、シューヴשׁוב、つまり主のもとに帰ることを通して、生き返る、リバイバルされる、回復する、新しい力を得るという意味です。つまり、そこには悔い改めを通して、「再び、生き返る」というニュアンスがあります。しかし、詩篇119篇154, 156, 159節にある「生かしてください」という嘆願には、そのようなニュアンスはありません。
- 詩篇119篇で使われている「生かす」という動詞はハーヤーחָיָה(chayah)で、英語ではpreserve my life と訳されています。つまり、私のいのちを保つ、支えるといった意味合いです。どのようにして「保つ」のかといえば、動詞の前にあることばによってです。154節では「みことばに従って」、156節では「あなたが決めておられるように」、159節では「あなたの恵みによって」です。これはいったい何を意味しているでしょうか。
- 「・・に従って」「・・しておられるように」「・・によって」は、ニュアンスとしては「・・にふさわしく」に近いと思います。つまり、あなたのみことばにふさわしく、あなたが決めておられるにふさわしく、あなたの恵みににふさわしく、私を生かしてくださいという意味ではないかと思います。
- この表現を、新約聖書で使徒パウロがエペソ人への手紙(4, 5章)でしばしば使っている表現に置き換えてみると、「召しにふさわしく歩む」、「神に愛された者らしく歩む」、「光の子どもらしく歩む」、「主にあって歩む」になるかと思います。リバイバルの意味での「生かしてください」ではなく、主の約束、恵み、定めにふさわしく、釣り合うように、バランスがとれた状態に、私を生かしてくださいという意味になろうかと思います。作者はすでに神に立ち帰っています。しかし次なる課題は、神のみことばに釣り合うような、それにふさわしい信仰者となることを自ら願っているのです。
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