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瞑想Ps10/A

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瞑想Ps10/A

  • この詩篇のキー・ワードは「主よ。なぜ」(1節、13節)です。このことばは詩10篇の中に3度も出てきます。「主よ。なぜ、あなたは遠く離れてお立ちなのですか。苦しみのときに、なぜ、身を隠されるのですか。」(1節)「(主よ。) なぜ、悪者は、神を侮るのでしょうか。」(13節)
  • 作者は神の不在を感じています。悩みの時に、苦難の時に、主を一番必要としているときに、神の臨在を感じられないことを嘆いています。神の不在を感じるときがあるのです。神が遠くにおられるように感じることがあるのです。すでに6篇でも、嘆きで疲れ果てたダビデが「主よ、いつまでですか」と訴えました。しかしその嘆きの中で、彼は「主は私の泣く声を、私の切なる願いを聞かれ、私の祈りは受け入れられた」と受け止めたのでした。この詩10篇も、類型としては「嘆きの詩篇」ですが、嘆きが嘆きで終わっていません。神に対する新たな確信で結ばれているのをみることができます。
  • 詩10篇の作者の悩みの発端は、悪者の道が「いつも栄え」(5節)て、成功しているように見えたことでした。勝手気ままなことをしながら、栄えている彼らの存在に対して、神が沈黙しているように見え、神の不在を感じたのです。これが、この詩篇の作者が直面した状況です。
  • 作者は悪者たちの様子を驚くほどよく観察しています。そして、心と思いが、彼らの存在によって翻弄されてしまっています。神の存在など眼中にない彼らの悪行の数々に対して、なぜ、神が黙っておられるか、なぜ、神は悪者が神を侮るのか、放って置かれるのか、神に対する憤りさえ感じさせます。私自身だけでなく、神を信じる者たちのだれもが、こうした経験を味わっているのではないかと思います。中には、神につまずいて信仰を捨ててしまう者もいるのではないかと思います。
  • 「嘆きの詩篇」においては、しばしば主の臨在と不在が交錯しています。これはいったい何を意味するのでしょうか。神の存在があまりにも身近であると、その偉大さに気づかず、むしろ神をないがしろにしてしまうという可能性があるかもしれません。むしろ、神の不在の経験は、神が私たちの思いや考えをはるかに越えた聖なるお方であり、神のご性質やみこころについても、私たちの狭い見方とはかけ離れていることを気づかせてくれます。
  • 神の不在経験によってもたらされるリアリティは、私たちの神に対する幻想が打ち砕かれて、神に対する真の信仰を強めてくれることにあります。神の沈黙が、神の不在が、神と私たちとの関係を浅瀬から深みへと導いてくれるのです。目にする現実に、心が落ち込んでしまうのではなく、私たちがそれまで持っていた神に対する幻想から解放されて、柔軟にされることで、内なる暗闇から抜け出す経験をするのです。神の不在を個人的に経験することで、結局は、私たちが神の臨在をより強く、より深く味わうように導かれる・・・ここに神の不在経験の隠された意義があると思います。
  • 詩10篇で、作者が神の臨在をどのように回復したかを見てみましょう。作者は神を「世々限りなく王である」お方として告白しています。しかもその王のイメージは、この世の専制君主のようではなく、弱者に対する思いやりに満ちたものです。
  • 「あなたはみなしごを助ける方でした」(14節)。
  • 「あなたは貧しい者の願いを聞いてくださいました。」(17節)。
  • 「あなたは彼らの心を強くしてくださいます。」(17節)。
  • 「耳を傾けて、みなしごとしいたげられた者をかばってくださいます。」(18節)
  • 作者は神の沈黙、神の不在の経験を通して、自分が「悩む者」「不幸な者」「貧しい者」「みなしごとしいたげられた者」たちと連帯しています。これはとても大切なことではないかと思います。作者の神観、あるいは王観は、神の不在経験を通して変えられていったと信じます。
  • 荒野での放浪生活を余儀なくされたダビデのところに、当時の社会では生きられなくなっていた者たち、アウトローと言われる者たちが次第に集まってきました(サムエル記第一、22章2節)。ダビデは彼らと寝食を共にしながら、不条理とも思える逃亡生活を続けました。ところが、彼らはやがてダビデがイスラエルの王として立てられたとき、ダビデの身辺を守る命知らずの親衛隊(近衛兵)となったのです。だれがそんなことを考えたでしょうか。神と人、人と人との信頼の絆は、私たちの思いを超えたところで培われていくものだと驚かされます。そして、主は今も変わることのないすばらしい王です !!

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