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瞑想Ps107/A

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瞑想Ps107/A

  • この詩篇の特徴の第一は、全体の構成がきわめてしっかりとしていることです。この詩篇は現代のワーシップにおける賛美の要素―バース(谷の部分)、コーラス(さびの部分)、ブリッジ(つなぎとなる橋の部分)、そして結部からなる賛美―のオリジナル版とも言えます。しかも、四つからなるバースは、それぞれ、人間が経験する苦悩の現実の側面を描いています。3節の「東から、西から、北から、南から」という表現も、あらゆるところからという意味だけでなく、この詩篇の中で語られる苦しみの四つのタイプを暗示しているとも捉えることができます。
  • この詩篇の第二の特徴は、預言的であるということです。おそらくバビロン捕囚とそこから解放したあとに作られたものだと考えられますが、それはイエス・キリストの初臨、そして再臨、および千年王国の樹立をも預言しています。そしてやがて神の救いの歴史において螺旋状的に実現していきます。
  • さて、この詩篇のキーワードは四つの部分に繰り返して登場するフレーズです。そのフレーズとは「苦しみの時に、主に向かって叫ぶと、主は彼らを苦悩から救い出された。」です。「苦悩からの救い」ーこれがこの詩篇の主題であり、四つの苦しみに対応して、真の満たしとは、真の自由とは、真のいやしとは、真の知恵とは何かという問いにそれぞれ答えていることがこの詩篇の特徴であるということです。
  • ここにある「四つの苦しみ」は、私たち人間が経験する苦悩の現実を要約しているかのようです。歌の形式としては、四つのバースと一つのコーラスから成っています。コーラスの部分は四つのバースに共通している部分であり、四つのバースはそのコーラスを説明する部分と言えます。以下はその分析です。

Verse-1

  • 彼らは荒野や荒地をさまよい
    住むべき町へ行く道を見つけなかった。
    飢えと渇きに、彼らのたましいは衰え果てた。
  • ここでは行くべきあてのない、目的のない放浪の末路、不毛、孤独、衰弱、そして満たされない渇きの苦しみです。まさにあの「放蕩息子のたとえ」に出てくる弟息子の姿です。

Chorus

  • この苦しみのきに、彼らが主に向かって叫ぶと、
    主は彼らを苦悩から救い出された。
    ーまことに、主は渇いたたましいを満ち足らせ、
    飢えたたましいを良いもので満たされた。」
  • 真の満たしが、主によって与えられたことを告白しています。放蕩息子が心を入れ替えて父のもとに帰ったことによって、与えられた真の満たし(満足)です。息子にとってすべてが父のもとにあったのです。

Verse-2

  • やみと死の陰に座す者、悩みと鉄のかせに縛られている者
    彼らは、神のことばに逆らい、いと高き方のさとしを侮ったのである。それゆえ主は苦役をもって彼らの心を低くされた。
    彼らはよろけたが、だれも助けなかった。
  • ここでは、いと高き方のさとしを侮った結果として、搾取と束縛、苦役と圧迫、そして孤立の苦しみを味わい、解放を必要としている者たちがいます。そんな彼らでも、

Chorus

  • この苦しみのきに、彼らが主に向かって叫ぶと、
    主は彼らを苦悩から救い出された。主は彼らをやみと死の陰から連れ出し、彼らのかせを打ち砕かれた。
  • 自分たちの犯した罪ゆえにおのずと悩みと鉄のかせに束縛された者が、神の介入によって、そこから真の自由が与えられたことを告白しています。

Verse-3

  • 彼らのたましいは、あらゆる食物を忌みきらい、彼らは死の門にまで着いていた。
  • ここでは病気のために食事もできず、死の恐れの中にある者たちを表わしています。それは彼らの罪のゆえだとこの詩篇は語っています。暴飲暴食もやがて人を病気にします。飢えて死ぬ者もいれば、食べすぎによる病気によって死ぬ者たちもいるのです。しかしそんな彼らも、

Chorus

  • この苦しみのきに、彼らが主に向かって叫ぶと、
    主は彼らを苦悩から救い出された。
    主はみことばを送って彼らをいやし、
    その滅びの穴から彼らを助け出された。
  • 昔は、病気になることは死に向き合うことが多かったと思います。真のいやしが主のあわれみによって与えられたことを告白しています。

Verse-4

  • 船に乗って海に出る者、大海であきないする者、
    主が命じてあらしを起こすと、風が波を高くした。
    彼らは天に上り、深みに下り、そのたましいはみじめにも、溶け去った。
  • ここではさまざまな高慢な野心をもって事業に乗り出す者たちが、やがて失敗したり、行き詰ったり、挫折して破産したりしている姿を見ます。よろめき、ふらつく姿を見ます。しかしその者たちでも、

Chorus 

  • この苦しみのきに、彼らが主に向かって叫ぶと、
    主があらしを静めると、波はないだ。
    波がないだので彼らは喜んだ。
    そして主は、彼らをその望む港に導かれた。
  • 自分を過信しやすい者です。自分の弱さを知っていないのです。冒険に乗り出しながら、ちょっとした環境の変化によっていとも簡単に挫折したり、失敗したりします。自分を過信する者はやがて失敗する運命にあります。ここでは真の知恵が主にあることを告白しています。
  • 最後に、この詩篇の33節~38節は、Verse1-Chrousにある主の恵みを補足し、39節~45節では、Verse2-Chrousにある主の恵みが補足されています。

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