****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

瞑想Ps142/B

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瞑想Ps142/B

  • 詩篇142篇において、ダビデは苦しみの中で、神の前に自分の嘆きを注ぎ出し、苦しみを言い表しています。ダビデの霊性の特徴の第5番目は、神への信頼と従順を学ぶために多くの苦しみを経験させられたことです。しかもその苦しみは不当な、不条理なものでした。このダビデの霊性はやがて神の御子イエス・キリストに繋がって行きます。そして使徒パウロや使徒ペテロにも流れていきます。神への信頼と従順は、いつの時代においても不条理な苦しみとは密接な必然的関係があるようです。
  • ヘブル人への手紙 5章7~10節

    7 キリストは、人としてこの世におられたとき、自分を死から救うことのできる方に向かって、大きな叫び声と涙とをもって祈りと願いをささげ、そしてその敬虔のゆえに聞き入れられました。
    8 キリストは御子であられるのに、お受けになった多くの苦しみによって従順を学び、
    9 完全な者とされ、彼に従うすべての人々に対して、とこしえの救いを与える者となり、 
    10 神によって、・・大祭司ととなえられたのです。

  • ヘブル人への手紙には、御子と苦しみについて4回扱われていますが、2:18では、神が多くの子たちを栄光に導くのに、救いの創始者を、多くの苦しみを通して全うされたということは、・・ふさわしいことであった」と記しています。それは聖とする方(御子イエス)と聖とされる者たち(主イエスを信じる者たち)が一つとなるためにでした。しかもそれは永遠において1回限りにおいて味合われた罪のいけにえとなるための苦しみでした。
  • キリストの受難は旧約においても預言されていますが、御子イエスご自身も自らもそのことを語っています(例;ルカ9:22/17:25/22:15/24:26, 46)。また、使徒パウロもその召命において「御名のために」苦しむことが語られていました。使徒ペテロも離散している主にある兄弟たちに対して、義のために苦しみを受けることに耐えることを、御子イエスを模範とするように勧めています(ヘテロ第一2:22)。
  • 詩篇142:4に「私を顧みる者もなく、・・私のたましいに気を配る者もいません」とあるように、主の働き人は究極的にはみな孤独(あるいは孤立)を余儀なくされます。その目的は主への信頼の絆を強めるためです。
    しかしそのことによって、後になって主に従う者たちが多くの者が集まってくるのです。
  • 最後に、「正しい者たちが私の回りに集まることでしょう。あなたが私に良くしてくださるからです。」という142:7のみことばに注目してみたいと思います。
  • 直訳的には、「私を、取り囲む、義人たちが、なぜなら、あなたが報いる、私の上に」と6個のヘブル語が並んでいます。後半の「なぜなら、あなたが報いる、私の上に」を、新改訳では「あなたが私に良くしてくださるからです。」と訳しています。
  • 前半の部分をいろいろな訳で見てみます。
    新改訳「正しい者たちが私を回りに集まるでしょう。」
    関根訳「義しい者がわたしを囲むでしょう。」
    新共同訳「主に従う者たちがわたしを冠としますように。」
    バルバロ訳「正しい者は、私のまわりに押しせまる」
    岩波訳「私のまわりに義人たちが群がろう。」
  • 「まわりに集まる、囲む、まわりに押し迫る、まわりに群がる、冠とする」と訳されたヘブル語は「カータル」(רכָּתַ)です。旧約では6回、詩篇では2回です。詩篇22:12では「数多い雄牛」が、「バシャンの強いもの」がダビデを「取り囲んだ」(完了形)ことが記されていますが、ここでは「義しい者たち」が彼を取り囲もうとしているのです(未完了)。神への信頼を貫いたダビデのまわりをやがて義しい者たちが取り囲んでいるのを私たちは聖書の歴史を通して見ることができます。これこそがまさに神が良くしてくださることであり、やがて、御子イエス・キリストのまわりに神に従う者たちが取り囲んでいる姿を預言しているようにも思えます。まさにこれはキリストの教会を預言的に指し示しているのではないかと思います。地上の私たちは天の父から使わされた御子の御父に対する信頼によって(信仰によって)一つの家族、一つの神の民とされるからです。

2011.7.26

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