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瞑想Ps19/A

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瞑想Ps19/A

  • この詩篇には三つの声があります。声といっても私たちの肉体の耳で聞くことの出来ない声です。一つは自然界・宇宙界に存在する沈黙の声(御使いたちの賛美の声)です。二つ目は神の声、神のみことばです。そして三つめは私たちの内なる声、良心の声、祈りの声です。それぞれの声を個別に味わうことができますが、私は、その三つの声がどのようなつながりをもっているのか、そこに心が引かれます。
  • 第一の沈黙の声、それは天における御使いたちの賛美の声です。御子たちの軍勢はこの宇宙・自然界を創造した神を永遠の昔からほめたたえていますが、その声は私たちの耳には聞くことはできません。宇宙・自然界の驚くべき力、知恵、無限、永遠のすばらしさは私たちの思いや考えを越えるほど神秘に満ちています。宇宙においては、空気がないために、どんな大きな音も伝わりません。星が爆発するときは大変なエネルギーによる音を出しているはずですが、その音は一切聞こえないのです。静寂そのものです。「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。」、しかし、「話もなく、ことばもなく、その声も聞かれない。」のです(1~3節)。自然界にはことばが聞かれなくても、自然の力は私たちを恐れさせます。しかしその力にも限界があります。あるところで全く無力となるのです。どこで無力になるかといいますと、私たちが生きるか死ぬかといったとき、あるいは人生の岐路でどう決断すべきか、というとき、自然の力とその美しさはなんら力を与えることができないのです。
  • そこで、この詩篇の作者は神の声に注目します。私たちにとっては、聖書を通して語られる神の声です。その声はみことばとして、ときには聖霊の声として聞こえてきます。みことばの性質は「完全で」、「確かで」、「正しくて」、「きよい」のです(7~8節)。そしてその効用は、

    ①たましいを生き返らす(restore・・回復させる、リフレッシュ、水をやると生き返る花のように) NKJV訳では a new strength となっており、圧迫や人生のあらゆるストレスに対して、新しい力を与えるのです。
    ②わきまえのない者を賢くする(口語訳「無学な者」、共同訳「無知な人」)。
    ③人の心を喜ばせる。
    ④人の目を明るくする(共同訳「目に光を与える」)、それは健康にするという意味です。

  • これらを見ると、神のことばは単なることばではなく、それを聞く私たちに大きく働いて、私たちを、生き返らせ、新しい力を与え、心に喜びを与えて、心も体も健やかにしていく力があるのです。これは自然界が与えることのできないものです。神は、私たち人間を神との交わりを通して生きるようにと造られました。ですから、神の語りかけによって、神のことばによって生きることが私たちには必要なのです。イエスは「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出るひとつひとつのことばによる」と語られましたが、そのみことばは、金よりも価値のある尊いものであり、密よりも甘いものであることをこの詩篇の作者は経験しました。神の声、みことばのすばらしさをたたえることでこの詩篇は終わってもよいはずですが、そうはできませんでした。
  • 自然界の神秘とその力がどんなにすごくても、私たちの生き死にの問題、つまり、私たちの人生の危機に対しては全く無力であるように、神のみことばがどんなに私たちを生かすものであり、確かなものであったとしても、やはりあるところでは無力と思えるのです。問題は私たちのもっと深いところにあることを作者は知っていました。それは、私たちが神の呼びかけに正しく応答しないという深刻な問題です。この詩篇の作者は、自分の良心の声、魂の内なる声に耳を傾けて神に祈っています。「どうか、隠れている私の罪をお赦しください。あなたのしもべを傲慢の罪から守ってください。それらが私を支配しませんように。」、「どうか、私の口のことばと、私の心の思いとが、御前に受け入れられますように。」と祈っています(新改訳には「どうか」ということばはありませんが、口語訳や新共同訳には「どうか」ということばがあります)。
  • 「どうか・・・」「どうか・・・」実は、この祈りこそ、この詩19篇の最も大切な部分であると私は信じます。もし、私たちがこの作者と同じように祈るならば、天における神の栄光はますます輝くのではないかと思わせられます。

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