瞑想Ps58/A
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瞑想Ps58/A
- 詩58篇も詩59篇も、いずれも悪の問題に対して、神の正しいさばきがなされることを切願しています。
- まず詩58篇を見てみましょう。詩58篇の1節では「力ある者よ」と呼びかけています。これは地上における上に立つ権力者(もしくはその背後にある 悪魔的力をも含めた存在)を意味しています。作者はこの詩篇の中で悪の実態を克明に訴えています。「心では不正を働き(口語訳「悪い事をたくらみ」)、「暴虐を、はびこらせている」(2節) この世に存在する時から「踏み迷い。さまよっている」(3節)。 詩人はそうした者たちの「歯を、その口の中で折ってください。主よ。若獅子のきばを、打ち砕いてください。消え去らせてください。・・・彼らを、溶けて、消えていくかたつむりのように、また、日の目を見ない、死産の子のようにしてください」(6、7節)と訴えています。
- 詩58篇で大切なことばは、「まことに」ということばです。「こうして人々は言おう。『まことに、正しい者には報いがある。まことに、さばく神が、地におられる。』」 つまり、たとい、人間の悪がどのように暴虐にみちたものであろうとも、悪魔的であったとしても、さばきを行なわれる神が厳存としておられるということです。このおごそかな事実にこそ、悪の問題の解決に対する確かな希望があります。