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瞑想Ps91/A

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瞑想Ps91/A

  • この詩篇は、しばしば「守りの詩篇」と言われています。しかしながら、その「守りの祝福」は、作者が神との親しい交わりへと召され、作者自身もそれを自覚的に選び取ったことによる結果であると私は思います。

1節は、神とのかかわりを次のように表現しています。    
「いと高き方の隠れ場に住む者は、全能者の陰に宿る」(新改訳、
岩波訳)
「いと高き神のもとに身を寄せて隠れ/全能の神の陰に宿る人よ」(新共同訳)
「いと高き者のもとにある/隠れ場に住む人、全能者の陰にやどる人は」(口語訳)
「いと高き者の保護のもとに座し、シャダイのかげに宿るかた」(フランシスコ会訳)
「いと高き者の守りの中にある者、全能者の陰にかくれる者」(関根訳)

  • ここには神とのかかわりの有り様が記されています。一つの節の中に同じ内容が異なる表現で言い表されています。つまり、「いと高き方の隠れ場に住む者」と「全能者の陰に宿る者」とはイコール(同義)です。このように二重にたたみかけることによって、密度の濃い交わりを表わそうとしているのだと思います。「隠れ場」「全能者の陰」を、ある人は「至聖所」だと解釈しています。「至聖所」とは契約の箱が置かれた所で、幕屋の最も奥深くにある場所です。そこは、神の臨在のある場所、、神が人に語りかける唯一の場所でした。旧約においては、モーセや大祭司アロンといった選ばれた者しか入ることは許されませんでしたが、今やキリストにある者ならだれでも自由に入ることのできるシークレット・プレイスです。
  • どの訳にも共通しているのは「隠れ場」「隠れ」です。shelter, the secret place, the secret shelter, そこはだれにも知られることのない密かなる場所であり、愛の秘密の場所といえます。そのような場所を持っている人は、全能者の陰に「宿る」-abide, remain(とどまる)、rest(休息する、休む)-のです。
  • 神との密度の濃い霊的な交わりの場、その場こそ信仰者のいるべきところです。限られた人生を、自覚的に、一刻でも長く主と親しい交わりを持つということは最高の恵みであり、特権です。そしてそこから、永遠に意味のある、最も生命的な活動が生まれてきます。主イエスご自身が父の陰に宿り、隠れ場をもっておられました。神の栄光はいつもそこから輝きだしたのです。御子イエスが地上において見せて下ったそのかかわりこそ、詩91篇1節が示すものだと信じます。
  • 自覚的な選択によって「いと高き方を住まいとした」者に与えられる神の祝福を、14節以降では次のように記しています。

    ①「彼がわたしを愛しているから、わたしは彼を助け出そう。」ここでの「愛している」とは「すがりついて離れない」という意味です。人の目も何も気にせず、一途に神を愛する、そのような者を主は必ず助けてくださるのです。


    ②「彼がわたしの名を知っているから、わたしは彼を高く上げよう。」 「知る」ということも体験による愛の一体感とでも言うべき関係です。神の愛と配慮が自分に向けられていることを体験で知っているということです。


    ③「彼が、わたしを呼び求めれば、わたしは、彼に答えよう。」
    a. 「わたしは苦しみのときに彼とともにいて、彼を救い彼に誉れを与えよう。」
    b. 「わたしは、彼を長いいのちで満ち足らせ、わたしの救いを彼に見せよう。」

     
  • ここには完璧な守りと充実した人生の約束があります。この祝福の中に歩ませていただける恵みを感謝したいと思います。そして、イエス・キリストがヨハネの福音書15章で語っていることを、再度、心に留めたいと思います。
  • 「わたしにとどまりなさい。わたしもあなたがたにとどまります。・・・わたしにとどまり、わたしもその人の中にとどまっているなら、そういう人は多くの実を結びます。わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないからです。・・・父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛しました。わたしの愛の中にとどまりなさい。」(4~9節)
  • この招きは、マルタのライフスタイルではなく、マリアのライフスタイルといえます。後者のスタイルへと主は私たちを招いておられます。それは主ご自身のライフスタイルそのものだったからです。

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