礼拝用語Ps31
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詩31篇「ゆだねる」 פָּקַד パーカド
〔カテゴリー信頼〕
5節「私のたましいを御手にゆだねます。真実の神、主よ。」
Keyword;「ゆだねる」 commit 31:5
- 新改訳、口語訳、新共同訳も共に「ゆだねます」と訳した「パーカド」(פָּקַד)は、本来、神が人に対する動詞で、「罰する、punish」「数える、number, count」「顧みる、訪れる、care for」「育てる、watch over」「問いただす、examine」といった意味ですが、詩31篇5節のそれは、人が神に対して、自分に与えられた権限を明け渡してしまう、預けてしまうという意味での「ゆだねる」です。ちなみに、この詩31篇では自分のたましい(新共同訳では「霊」)をゆだねて、明け渡しています。
- 「パーカド」(פָּקַד)は、俗なことばでいうならば、「まな板の上の鯉」のように、窮地に立たされても慌てることなく、自分の身を相手のなすがままにさせて、泰然としている状態です。イエス・キリストの十字架上での七つのことばがありますが、一番最後のことばはこうでした。「イエスは大声で叫んで言われた。『父よ。わが霊を御手にゆだねます。』 こう言って、息を引き取られた。」(ルカ福音書23章46節)のでした。
- 「パーカド」が「ゆだねる、commit」と訳されている箇所は詩31篇5節のみですが、礼拝者にとっては重要なことばです。詩篇では「ゆだねる」と訳されたことばが、他にも四つほどあります。
第一は、「アーザヴ」(עָזַב)です。「見捨てる、置き去りにする、後に残す、立ち去る、離れる、かまわずに放っておく、成り行きに任せる」という意味です。詩篇10:14/37:33参照。神がご自身の民を敵に渡されるときに使われます。
第二は、「シャーラフ」(שָׁלַךּ)です。22:10。特に、55:22では「あなたの重荷を主にゆだねよ。」とありますが、「放り投げる、投げ与える、渡す、あずける」といった意味で、自分の問題を神の御手に任せることです。
第三は、「ガーラル」(גָּלַל)です。37:5では「あなたの道を主にゆだねよ。」とあります。本来は「石などを転がす」という意味で、どのように転がっていくのか全く予想のつかない状況で身を任せるという意味です。
第四は、「ナータン」(נָתַן)です。詩篇にはないことばですが、ポティファルがヨセフに自分の財産の管理を一切任せたというところに使われていることばです。創世記39:8。
- 神は私たちを信頼して多くのものをゆだねられました。同時に、私たちも神とその支配にゆだねることを学ぶことはきわめて重要です。御父と御子はそれぞれゆだね合っていました。御父は御子にすべてのさばきの権能をゆだねましたし、御子は十字架においてご自身の霊を御父におゆだねになりました。「ゆだねる」ということは、相手に対する最も深い信頼を意味します。
御手に私の霊をゆだねます
ベヤードゥハー アフキード ルーヒー