礼拝用語Ps61
Ⅱ/A(42~72篇) | テキストPs61 | 原典テキストPs61 | 瞑想Ps61/A | 瞑想Ps61/B | 恩寵用語Ps61 | Ps61その他 | Ps61の「かかわりの構造」 |
詩61篇「いつまでも」 עוֹלָם オーラーム
〔カテゴリー誓約〕
4節「私は、あなたの幕屋に、いつまでも住み」(新改訳)
4節「わたしをとこしえにあなたの幕屋に住まわせ」(口語訳)
4節「あなたの幕屋にわたしはとこしえに宿り」(新共同訳)
Keyword; 「永遠に」 forever, eternity,
- 詩61篇にはダビデの「永遠の誓い」が表明されています。「いつまでも」「とこしえに」と訳されたことばは、オーラミーム(עוֹלָמיםー(עוֹלָםの複数形)、7節の「いつまでも」はオーラーム(עוֹלָם)の語が使われています。他にも、永遠を表わす語彙が他にも使われています。6節「代々」(新改訳)「よろずよに」(新改訳)「よろずよに」(口語訳)「代々に」(新共同訳)「いつまでも」(尾山訳)と訳された定型句、レドール・ヴァードール(לְדֹר וָדֹר )、それに、8節の「とこしえ」(新改訳)「永遠」(新共同訳)と訳されたアド(עַד)が、一つの詩篇の中にあります。いずれも、動詞ではなく名詞です。
- 「永遠の誓い」とは結婚式だけのものではありません。ダビデが神に対する永遠の誓いをするに至ったそのプロセスとその生涯の検証が重要です。ダビデは「地の果てから」神に呼び求め(קָרָא)ています。「地の果て」とは、単なる地理的なことだけではなく、自分の力では到底回復することが及ばない状況を表しているかもしれません。
- 詩130篇1節でも「主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。」とありますが、その「深い淵」も「地の果て」と同じような意味合いを持っていると考えます。自分の力では生きることも、立つことも、ましてや輝くこともできない状況―それはまさに「心が衰え果てるとき」(新改訳)、「心のくずれおるとき」(口語訳)、「心が挫けるとき」(新共同訳)ーの中で、ダビデは「もしこの状況から自分を救い出してくださり、及びがたいほどの高い岩の上に導いてくださるなら、永遠の誓いをいたします。」と神に誓ったのであろうと信じます。
- ダビデのその「永遠の誓い」の内訳は三つあります。
①神の幕屋に住むこと I will abide in your tabanacle forever./I long to dwell in your tent forever(NIV)
②御翼の陰に身を避けること I will trust in the shelter of your wings.
③主を賛美すること I will always sing praises to you.
- 「住む」(グール)とは「とどまる」こと、「身を避ける」とは「信頼する」ことと同義です。ダビデの永遠の誓いー主にとどまり、主を信頼し、主を賛美することーは、みな連動しており、神との親しい関係を表明するものです。それらは決して強制や義務ではなく、あくまでも自発的(I will)であるという点において価値があります。しかも、ダビデはそれを「いつも」「日ごとに」に実行したのでした。それゆえ(結果として)ダビデは神にあって力ある働きをすることが出来たのです。最後に、ダビデの永遠の誓いが「どん底経験」においてなされたことも注目すべき点です。永遠の誓いの背後に神の導きが隠されているのです。