礼拝用語Ps96
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詩96篇 「おののく」חִיל ヒィール
(カテゴリー: 従順)
9節「全地よ。主の前におののけ。」(新改訳)「もだえよ。主の前に、全地。」(岩波訳)
Keyword; 「おののく」 tremble, shake, in anguish, writhed,
29:8, 9/51:5/55:4/77:16/90:2/96:9/97:4
- 「おののく」と訳された「ヒィール」(חִיל)―(חוּל)と同義は、「荒れ狂う、いたく苦しむ、痛みを覚える、産みの苦しみ、おののく、苦しみもだえる、震う、、生まれる、待つ」といった意味があります。旧約では48回使われていますが、詩篇では10回です。「おののく」(tremble)という意味で使われているのは96:9, 97:4, 114:7の三箇所のみです。
- 詩96篇は1節に「新しい歌を歌え」とあるように、神とのいのちにかかわる「新しさ」と、全地が主の前に「おののく」ことの間には密接な関係にあるように思えます。いわば、神による「新しいいのち」「新しい歌」「新しい契約」「新しい戒め」「新しい創造」-といった新しいかかわりがなさるときには産みの苦しみが伴います。そのように考えると、「全地よ。主の前におののけ。もだえよ」という命令は、神の新創造の前提として当然のことのように思えてきます。イエス・キリストの十字架の苦しみは、まさに、全被造物が罪から贖われて、全く新しくされるために必要なことでした。
- 使徒パウロもローマ人への手紙の中で「被造物も、切実な思いで神の子どもたちの現われを待ち望んでいる」(8章19節)と記しています。なぜなら、「被造物全体が今に至るまで、ともにうめきともに産みの苦しみをしている」(同、22節)からです。
- 「ヒィール」(חִיל)の類義語としては、以下の三つを掲げたいと思います。
(1) 「ラーガズ」(רָגַז) 正当な怒りを表わす「おそれおののくーanger」(4:4)。王の御前で「恐れおののくーtremble」(99:1)他に、「揺れるーshake」(18:7)、「震え上がる」(77:16)
(2) 「ハーラド」(חָרַד)の形容詞 「ハーレード」(חָרֵד)が以下の箇所で使われています。
「――主の御告げ。――わたしが目を留める者は、へりくだって心砕かれ、わたしのことばにおののく(חָרֵד)者だ。」(イザヤ66:2)「主のことばにおののく(חָרֵד)者たちよ。主のことばを聞け。・・」(イザヤ66:5)(3) 「ヌー」(נוּע) 民はみな、雷と、いなずま、角笛の音と、煙る山を目撃した。民は見て、たじろぎ(נוּע)、遠く離れて立った。」(出20:18)
- 新約のマルコの福音書5章33~34節参照。12年間、婦人病で悩み、治療のために財産を使い果たしてしまった一人の女が、イエスのことを耳にして、一縷の望みでイエスの衣のふさに触ったとき、血の源がかれて、ひどい痛みが全くなくなったのを身に感じました。長血の女はおそれおののき、自分の身に起こったことを知り、イエスの前に出で、ひれ伏し、イエスに真実を余すところなく打ち明けました。するとイエスは彼女にこう言われました。「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。」と。