****** 詩篇は、神と私たちの生きた関係を築く上での最高のテキストです。******

絶えず燃え続けさせなければならない祭壇の火

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レビ記は、「キリストの十字架の血による贖いの神秘」を学ぶ最高のテキストです。

6. 絶えず燃え続けさせなければならない祭壇の火

ベレーシート

  • すでに五つの主へのささげ物については言及されていますが、再度、レビ記6章8節〜7章38節でも、主が五つのささげ物に関する施行の細則について祭司に指示したことが記されています(新共同訳では6章8節が1節になっています)。今回は、最初の「全焼のいけにえ」の施行細則の中から、祭壇の火が消されることなく、絶えず燃え続けさせることが三度も重ねて強調されている点に注目したいと思います。

【新改訳改訂第3版】レビ記6章8〜13節(新共同訳は6章1〜6節)
8 ついで【主】はモーセに告げて仰せられた。
9 「アロンとその子らに命じて言え。全焼のいけにえのおしえは次のとおりである。全焼のいけにえそのものは、一晩中朝まで、祭壇の上の炉床にあるようにし、祭壇の火はそこで燃え続けさせなければならない。
10 祭司は亜麻布の衣を着なさい。また亜麻布のももひきをその身にはかなければならない。そして、祭壇の上で火が焼き尽くした全焼のいけにえの脂肪の灰を取り出し、祭壇のそばに置きなさい。
11 祭司はその装束を脱ぎ、別の装束を着けて、脂肪の灰を宿営の外のきよい所に持ち出しなさい。
12 祭壇の火はそのまま燃え続けさせ、それを消してはならない。かえって、祭司は朝ごとに、その上にたきぎをくべ、その上に全焼のいけにえを整え、和解のいけにえの脂肪をその上で焼いて煙にしなさい。
13 火は絶えず祭壇の上で燃え続けさせなければならない。消してはならない


●「燃え続けさせる」は「燃える」を意味する動詞「ヤーカド」(יָקַד)の未完了使役形受動態(ホファル)で、聖書ではレビ記の6章9節が初出箇所です。いけにえに関してこの動詞が使われているのはレビ記6章9, 12, 13節のみ(新共同訳は2, 5, 6節)で、それが全焼のいけにえに関連して用いられるのは香ばしいかおりが絶えることなく祭壇から立ち上らせるためです。


1. 祭壇の火

  • 「祭壇の火」(「エーシュ・ハッミズベーアッハ」אֵשׁ הַמִּזְבֵּחַ)という語彙はレビ記においては、6章9節と12節にのみあります。この「祭壇の火」は「全焼のいけにえ」を燃やし尽くすための火です。「祭壇の火」が「全焼のいけにえ」にのみ言及されているのは、「全焼のいけにえ」が他のいけにえとささげ物と連動しているだけでなく、それらを代表しているからです。穀物のささげ物の一部分も完全に火によって焼き尽くされます。
  • 「祭壇の火」は神の聖さの象徴です。また「火」は神のさばきをも象徴しています。いけにえとなった動物が焼き尽くされるのを見た人々は、人間の罪の結果を絶えず思い起こさせられるだけでなく、そのことを通して自分の罪が赦され、神の前に完全に受け入れられて神との関係が回復されたことを絶えず意識させられるのです。今日のインターネットにおいてセキュリティ対策を怠るならば、必ずや悪意あるウイルスによってPCは犯され、様々な障害や不利益をもたらすことになるのと同様に、祭壇の火は絶えず、継続的に燃え続けさせなければならないのです。それは私たちの内に弱さがあるゆえです。神の民が神との関係を正しい状態に保つためには、「祭壇の火」という救いの恵みを絶えず思い起こしている必要があるのです。
  • ところで、この「祭壇の火」はいったいどこからもたらされたのでしょうか。レビ記9章にあるように、大祭司と祭司たちの任職のための聖別期間(七日間)が終わって、八日目に定められたとおりにその職務が執行された後で、主の栄光が民全体に現われました。そのことが9章23~24節に記されています。それによれば、「祭壇の火」は主の御前から発出したことが分かります。

【新改訳改訂第3版】レビ記9章23~24節
23 ついでモーセとアロンは会見の天幕に入り、それから出て来ると、民を祝福した。すると【主】の栄光が民全体に現れ、
24 【主】の前から火が出て来て、祭壇の上の全焼のいけにえと脂肪とを焼き尽くしたので、民はみな、これを見て、叫び、ひれ伏した。

  • 祭司の務めとして、彼らはこの「火」を燃やし続けるように気を配らなければなりませんでした。「全焼のいけにえそのものは、一晩中朝まで、祭壇の上の炉床にあるようにし」、また「朝ごとに、その上に(=祭壇の火の上に)たきぎをくべ」なければなりませんでした。なぜなら、それは途切れることなく動物のいけにえが主の前にささげられなければならなかったからです。このことを通して、神の民は絶えず聖なる神の前にあることを意識づけられたのです。
  • 「祭壇の火」は「聖霊の火」を象徴しています。パウロは「御霊を消してはなりません」(Ⅰテサロニケ5:19)とも、「勤勉で怠らず、霊に燃え、主に仕えなさい」(ローマ12:11)とも述べています。そのためには、絶えず燃料を補給しなければなりません。私たちの生涯が神に受け入れられている「しるし」として、主の御前から来た聖霊の火によって絶えず自分の祭壇の火が燃やされ続けなければならないのです。そして次の世代にもこの「火」は受け継がれなければならないのです。不注意によってその火を消してはならないばかりか、むしろ天来の聖なる火の上にたきぎをくべて、私たちのうちに与えられた「神の賜物を、再び燃え立たせ」なければなりません(Ⅱテモテ1:6)。それが祭司である私たちの務めなのです。

2. 祭司の装束の着替えが意味していることは何か

  • 「祭壇の火を燃やし続ける」ことに付随する細則として、祭司の着る装束の着替えについて以下のように記されています。

10 祭司は亜麻布の衣を着なさい。また亜麻布のももひきをその身にはかなければならない。そして、祭壇の上で火が焼き尽くした全焼のいけにえの脂肪の灰を取り出し、祭壇のそばに置きなさい。
11 祭司はその装束を脱ぎ、別の装束を着けて、脂肪の灰を宿営の外のきよい所に持ち出しなさい。

  • 祭司の祭壇での奉仕の時に着る装束と、宿営の外に祭壇の灰を持ち出す時に着る装束とを区別することが定められています。なにゆえに別の装束をつける必要があるのでしょうか。祭壇の火を燃やし続けることで、いけにえの燃えかす(灰)が生じます。昔、北国で石炭ストーブをたいていたころ、下にたまった灰を取り出して捨てなければなりませんでした。それは空気の通りを良くして、火の勢いを保つためです。同様に祭壇の火が勢いよく燃えるためには、たまった灰を取り出して捨てなければなりません。一見、灰は不要なものとしか考えませんが、神は「全焼のいけにえ」と「灰」を同等の価値として見ておられるようです。焼き尽くされた「全焼のいけにえ」とその「灰」は、コインの表裏のように神に受け入れられたことを示す表裏一体的関係です。この関係を示す象徴的なしるしが、祭司の「装束の着替え」の中に表されていると考えられます。
  • 語彙的な面から見ると、いけにえを焼いた「灰」はヘブル語では「デシェン」(דֶּשֶׁן)です。これは神に喜ばれる「脂肪、油、髄、豊かさ」を意味する語彙と全く同じです。それゆえ「灰」にはそれなりの丁重な取り扱いが求められているのです。
  • 脂肪の灰は、宿営の外のきよい所(すなわち幕屋の東側)に持ち出されました(レビ1:16)。このことは、イェシュアが神殿の東側にあるオリーブ山近くで十字架にかけられて死なれた後、その遺体が同じく神殿の東側にある墓(アリマタヤのヨセフが提供した新しい墓)の中に丁重に葬られることを預言的に啓示していたとも言えます。
  • 「灰」は、完全に「自分を捨て、自分の十字架を負って主に従う」ことのしるしです。使徒パウロはこのことを以下のことばで言い表わしています。

(1)【新改訳改訂第3版】ガラテヤ書2章20節
私はキリストとともに十字架につけられました。もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。いま私が肉にあって生きているのは、私を愛し私のためにご自身をお捨てになった神の御子を信じる信仰によっているのです。


(2)【新改訳改訂第3版】ピリピ書3章13~15節
13 兄弟たちよ。私は、自分はすでに捕らえたなどと考えてはいません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み
14 キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。
15 ですから、成人である者はみな、このような考え方をしましょう。もし、あなたがたがどこかでこれと違った考え方をしているなら、神はそのこともあなたがたに明らかにしてくださいます。


  • 私はキリストとともに十字架につけられました。」「うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っている」、この生き方こそが「自分を捨て、自分の十字架を負って主に従う」ことです。パウロは「成人である者はみな、このような考え方をしましょう」と言っていますが、祭司たちが祭壇の火を消すことなく、絶えず、それを燃え続けさせるために「灰」を取り除く務めをしていたのは、このことを預言的に示唆していたのではないかと考えられます。

2016.5.10


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