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詩123篇/B

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瞑想Ps123/B

  • 「あなたに向って、私は目を上げます。」(1節)という行為がどのような境遇の中でなされているかに注目したいと思います。
  • この詩篇の3, 4節に登場するネガティヴな意味を持つ二つの軽蔑用語(名詞)によって作者が置かれた状況を知ることができます。

    (1) 「さげすみ」(新改訳、フランシスコ会訳)と訳された「ブーズ」בּוּז(動詞も名詞も同じ表記ですが、詩篇で使われているのは名詞)は、旧約7回、詩篇5回(31:18/107:40/119:22/123:3, 4)です。口語訳、関根訳、バルバロ訳は「侮(あなど)り」、新共同訳は「恥」、NIV訳はcontemptと訳しています。

    (2) 「あざけり」(新改訳、口語訳、フランシスコ会訳、関根訳、バルバロ訳)と訳された「ラアグ」לַעַגは、旧約9回、詩篇5回(35:16, 16/44:13/79:4/123:4)です。新共同訳は「嘲笑」と訳しています。詩篇では5回(35:16, 16/44:13/79:4/123:4)です。

  • ちにみに、この詩篇には出てきませんが、同じ軽蔑用語として「ヘルパー」חֶרְפָּהがあります。旧約73回、詩篇19回使われています。特に、メシア詩篇の一つである69篇にはなんとこの名詞が5回(69:7, 9, 10, 19, 20)使われています。意味としては、「ブーズ」בּוּזと「ラアグ」לַעַגを足したような名詞で、そしり、辱め、ののしり、侮辱、恥、さげすみ、あざけり、非難、叱責といった意味があります。
  • こうした軽蔑を受けるならば、人は心に大きな傷を受けることになります。おそらく生きる力を喪失し、引きこもらざるを得なくなるはずです。しかし、神の人も民もみなこうした軽蔑の波をくぐりぬけることを余儀なくされました。詩篇123篇では、多く、そして長期間にわたって、さげすみとあなどりで「もういっぱいです」と主に祈っています。「満腹する、飽き飽きする、満ちる」という動詞「サーヴァー」שָׂבַעがここで使われています。「もうたくさんです、なんとかしてください」と悲鳴をあげて、主のあわれみをひたすら求めている状況です。
  • ダビデが王となるべくサムエルから油を注がれた後、ダビデはペリシテ人のゴリアテが主の御名を侮ったことに対して戦いを挑みました。しかしダビデの場合こうした戦いは珍しく、ダビデが王となるべく神が彼に対してなされた訓練は、むしろ荒野においてさげすみやあなどりに対して戦うことではなく、むしろ主の隠れ場に隠れることによって主への信頼を培うことでした。それゆえ、ダビデは詩篇31:20で「あなたは彼ら(主を恐れる者)を人のそしりから、あなたのおられるひそかな所に書くまい、舌の争いから、隠ればに隠されます。」と述べています。
  • イエス・キリストの生涯において、最初は人々のイエスに対する称賛が見られましたが、パンの奇蹟以後、次第に民衆はイエスから離れていきます。そして、その十字架においてはこの上ないあざけりとさげすみと侮りを受けました。まさに十字架は恥辱の十字架でした。にもかかわらず、「ののしられてもののしり返さず、苦しめられてもおどすことをせず、正しくさばかれる方(御父)にお任せになりました(信頼してゆだねました)。」
  • この世に受け入れられながら、同時に、神に受け入れられる道はありません。神に熱心になればなるほど世から受け入れられなくなります。それは「あなたの家を思う熱心が私を食い尽くし、あなたをそしる人々のそしりが私にふりかかったからです。」(詩篇69:9)とあるとおりです。また、直接的なさげすみの声や、嘲りの声を聞かずとも、自分がばかにされているのではないか、もの笑いの種とされているのではないかといった思いを抱くことも苦しみの原因となります。このような状況はダビデもイエスも通られました。そうした状況の中で、世にへつらうことなく、迎合することなく、妥協することなく、むしろ神の隠れ場に隠れることを学ぶ必要があるのではないかと思います。イスラエルの捕囚の民がそうであったように、神への巡礼の旅は闇の中で主に出会う必要があるのです。なぜなら、「主は暗やみの中に住む」(1列王記8:12)、「主はやみを隠れ家として・・置かれる」(詩篇18:11)からです。にもかかわらず、詩篇123篇のように、暗やみにおいてはしばしば神の沈黙が目立つのです。

2011.6.18


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