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詩135篇/B

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瞑想Ps135/B

◆この詩篇には「賛美する理由」について記されています。大きく分けてその理由は二つです。一つは「トーヴ・アドナイ」(主はいつくしみ深い方)、もう一つは「ガドール・アドナイ」(主は大いなる方)のゆえです。それぞれにその具体的な理由が附随しています。

(1) 「トーヴ・アドナイ」(主はいつくしみ深い方)
135:3
ハレルヤ。主はまことにいつくしみ深い。
主の御名にほめ歌を歌え。その御名はいかにも麗しい。

◆具体的には、
「まことに、主はヤコブを選び、ご自分のものとされ、イスラエルを選んで、ご自分の宝とされた。」(4節)ゆえです。

※「宝」は詩篇ではここ135:4のみです。「宝」(セグラー)ということば申命記において重要な用語です。申命記7:6/ 参照

(2) 「ガドール・アドナイ」(主は大いなる方)
135:5
まことに、私は知る。主は大いなる方。
私たちの主はすべての神々にまさっておられる。

◆具体的には、
① 神の主権的なみわざのゆえに(6~8節)
② エジプトでのしるしと奇蹟のゆえに(9節)
③ 多くの国々を打ち、カナンの地を相続の地として与えられたゆえに(10~12節)
④ バビロン捕囚からの解放のゆえに(14節)

※特に、④は「主はご自分の民をさばき(ディーン)、そのしもべをあわれまれます(ハーナン)。」は、イザヤ40章「『慰めよ。慰めよ。わたしの民を。』とあなたがたの神は仰せられる。『エルサレムに優しく語りかけよ。これに呼びかけよ。その労苦は終わり、その咎は償われた。そのすべての罪に引き替え、二倍のものを主の手から受けたと』」(40:1~2)というみことばと連動しているように思います。



◆この詩篇における「訳語の問題」として、新改訳、1節と3節の「ハーラル」הָללと、19~21節の「パーラフ」בָּרַךに「ほめたたえよ」と同じ訳語が当てられています。これはフランシスコ会訳、典礼訳でも同様です。しかし、新共同訳、口語訳、文語訳、岩波訳、関根訳、英語訳では、それぞはっきりと意識的に訳語を変えています。特に、英語では「ハーラル」הָללはPraise, 「パーラフ」בָּרַךはBlessと明確です。

◆前者の「ハーラル」הָללはなりふりかまわず、大きな声を上げて喜びを表わす賛美に対して、後者の「パーラフ」בָּרַךは、どちらかというと、ひざまずいて、静まって、沈黙して、その喜びを瞑想的を通して表わす賛美を意味します。いずれにしても、どのような形であれ、神への賛美が呼び掛けられています。

◆ちなみに、原文では理由を表わす接続詞、「キー」כִּיということばが多く使われています。そして「まことに」「いかにも」と訳されています。

  • 3節「まことにいつくしみ深い」
    3節「いかにも麗しい」
    4節「まことに、主はヤコブを選び、ご自分のものとされ、・・」
    14節「まことに、主はご自分の民をさばき、そのしもべらをあわれまれます。」

◆このように新改訳は「キー」כִּיをはっきりと訳していますので、分かりやすいのですが、新共同訳などは(編集方針があるのかもしれませんが)全くそれを訳していません。

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