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詩138篇/B

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瞑想Ps138/B

◆詩篇138篇には、主に「感謝します」「ほめ歌を歌います」「ひれ伏します」「歌います」という礼拝用語が目立ちます。と同時に、その理由についても、しっかりと言い表わされています。ヘブル語の前置詞「アル」עַלと接続詞の「キー」כִּיが、それぞれ「~のゆえに」、「なぜなら(まことに)」と理由を表わします。日本語訳ではかならずしもそれがはっきりと訳されていません。ヘブル語の理由を表わす前置詞や接続詞が置かれている箇所を拾ってみると以下のように7箇所あります。

  • 2節「あなたの恵みのゆえに(עַל)」、
  • 2節「あなたの真実のゆえに(עַל)」、
  • 2節「あなたは、ご自分のすべての御名のゆえに(עַל)」
  • 2節「あなたのみことばを高く上げたから(כִּי)」
  • 4節「彼らがあなたの口のみことばを聞いたから(כִּי)です。」
  • 5節「主の栄光が大きいから(כִּי)です。」
  • 6節「主は高くあられるが、引く者を顧みてくださるから(כִּי)です。」

◆「キー」をכִּי「まことに」と訳している場合には、その前後にある事柄の根拠を示す接続詞となっています。

◆このように感謝と賛美の理由を示そうとしているのは、135篇、136篇にも目立ちます。135篇では、1, 3節の「主の御名に賛美せよ」という命令に附随して、

  • 3節「キー・トーヴ・アドナイ」(主は良い方だからכִּי)、
  • 3節「キー・ナイーム」(麗しい方だからכִּי)
  • 4節「主は、ヤコブを選んだ・・ご自分の宝とされたからכִּי
  • 5節「主が大いなる方である(キー・アドナイ)ことをכִּי、私は知っているからכִּי

◆136篇では、「主に感謝せよ」という命令に付随して、

  • 1節「主は良い方だからכִּי
  • 1, 2,・・・26節「その恵みはとこしえだからכִּי

◆以上のように、私たちは主に感謝する、主を賛美する理由がなんであるかということを明確に意識して告白することが重要です。理由が明確でない感謝と賛美はそれ自体あまり力を持ち得ないからです。

◆クリスチャン作家であった三浦綾子は、「私には死ぬという仕事がある」ということを言いましたが、その仕事のなかに「心を尽くしてすべてのことを感謝する」という仕事があると思います。死を前にして、自分にかかわるすべてのことについて感謝することは大いなる仕事です。「自分が生きている」ひとつのしるしは「感謝できない」ということにあります。反対に、「自分に死んでいる」しるしは、すべてを感謝することができるということです。自分の死を意識したとき、感謝できることはなんと麗しいことでしょうか。その仕事は普段の日々においてもなされるべきだと思います。

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