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選びにおける無条件の愛

6. 選びにおける無条件の愛 אַהֲבָה

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はじめに

  • 前回取り上げたキーワードは「ヘセド」というヘブル語でした。これは「契約関係をもった者に対する神の愛」を表わすことばで、新改訳では「恵み」と訳しています。「ヘセド」は英語では以下のように訳されています。

(1) constant love -変わらない愛、不変の愛
(2) steadfast love ―確かな愛、揺るがない愛
(3) unfailing love ―尽きることのない、絶えることのない、裏切られることのない愛、信頼できる愛
(4) loving-kindness ―愛にあふれた親切 

  • このような意味合いをもった「ヘセド」を、単に、「恵み」という一語だけでは、「神の確かな愛の持つ力、その堅固さ、執拗さ、堅い固着」といった性格を伝えるには不十分と言えます。
  • 「いつくしみ」と訳される「トーヴ」טוֹבと契約の愛を表わす「ヘセド」חֶסֶדとは、しばしばワンセットとして使われますが、それに加えて、「ヘセド」חֶסֶדと「エメス」אֶמֶתという言葉も実はワンセットとして使われることが多いのです。どちらかというと後者、つまり「ヘセド」と「エメス」、「恵み」と「まこと」という組み合わせです。この組み合わせの頻度をヘブル語のコンコルダンスを使って調べてみると20回ほどです。「エメス」の訳語としては、「まこと」faithfulness とか「誠意」truthが使われています。やがてイエス・キリストがこの世に来られた時に、ヨハネというイエスの弟子は「この方は恵みとまことに満ちておられた」と紹介しました。

1. 旧約聖書における「愛」の用語の相関図

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  • 今回は神の契約的な愛を表わす「ヘセド」の根底にあるもの、それは神の「トーヴ」(いつくしみ)なのですが、その「トーヴ」は神の選びの愛を示す「アハヴァー」と連動しています。「アハヴァー」はどの聖書もこぞって「愛」と訳しており、「アハヴァー」のギリシャ訳は「アガペー」です。
  • 「ヘセド」の恵み、契約的な愛を成立させている根源的な愛、先取的(イニシュアティヴ)な愛、それは神の一方方向の無条件的な選びの愛を意味する名詞「アハヴァー」אַהֲבָהです。そしてその動詞は「アーハヴ」אָהַבです。
  • そしてそれと付随している語彙があります。それは「選ぶ」という動詞「バーハル」בָּחַרと「恋い慕う」という動詞「ハーシャク」חָשַׁקです。「恋い慕う」という動詞は「心引かれる」(新共同訳)とも訳されます。旧約の中ではそれほど多くは出てきませんが、やはり「選ぶ」という言葉と同様に一方的な性格をもっています。これらのことばは実は密接なかかわりをもっているのです。いわば、愛の用語の相関図と言えます。

2. 根源的な愛、無条件の一方的な選びの愛をたたみ掛ける聖書箇所の瞑想

  • 聖書箇所は二か所です。ひとつは申命記の7章6b~9節、もうひとつは申命記10章15節です。そこには驚くべきことに、「愛の相関図」に挙げたすべての用語が使われています。

A 【新改訳改訂第3版】申命記7章

7:6b あなたの神、【主】は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。
7:7 【主】があなたがたを恋い慕って、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。
7:8 しかし、【主】があなたがたを愛されたから、また、あなたがたの先祖たちに誓われた誓いを守られたから、【主】は、力強い御手をもってあなたがたを連れ出し、奴隷の家から、エジプトの王パロの手からあなたを贖い出された。
7:9 あなたは知っているのだ。あなたの神、【主】だけが神であり、誠実な神である。主を愛し、主の命令を守る者には恵みの契約を千代までも守られる・・・


B 【新改訳改訂第3版】申命記10章15節

15 【主】は、ただあなたの先祖たちを恋い慕って、彼らを愛された。そのため彼らの後の子孫、あなたがたを、すべての国々の民のうちから選ばれた。今日あるとおりである。


〔問いかけ〕
私たちが、神に「恋い慕われて」「愛されて」「選ばれた」者であることを深く考えていますか。父なる神が私たちを引き寄せて下さらなければ、だれひとりとして主イエスと出会うことはなかったのです。このことを果たしてどれほど厳粛に受け留めているだろうか。


  • これらの動詞の目的、つまり、主が「恋い慕って、愛されて、選ばれた」その目指すところが、12節と13節に記されています。

C 【新改訳改訂第3版】申命記10章12~13節

12 イスラエルよ。今、あなたの神、【主】が、あなたに求めておられることは何か。それは、ただ、あなたの神、【主】を恐れ、主のすべての道に歩み、主を愛し、心を尽くし、精神を尽くしてあなたの神、【主】に仕え、
13 あなたのしあわせのために、私が、きょう、あなたに命じる【主】の命令と主のおきてとを守ることである。


3. 主が求められておられることは何か

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「恐れる (「ヤーレー」יָרֵא)
「歩む」 (「ハーラフ」הָלַךְ)
「愛する」(「アーハヴ」אָהַב)
「仕える」(「アーヴァド」עָבַד)
「守る」 (「シャーマル」שָׁמַע)

  • ここに挙げられている動詞は「神との契約の愛」(ヘセド)と神の選びの愛(アハヴァー)に答えるべき行為として重要な動詞で、これらをMy動詞としてひとつひとつ建て上げていかなければなりません。しかもその究極の目的はひとえにあなたが「幸い(「トーヴ」טוֹב)を得るため」、「幸いを得させるため」なのです。
  • ここにある動詞―「恐れる」「歩む」「愛する」「仕える」「守る」ーは、すべて自発的、主体的な行為として求められているのです。決して義務としてではなく、心を尽くし、精神を尽くして、主と向き合うことが求められているのです。主のこの期待に私たちがどう向き合い、どう答えるべきか、それはひとりひとりが自分と神とのかかわりの中で決断しなければならないことなのです。聖霊の促しに導かれて、良い決断を、意味のある決断をしたいものです。

2012.7.8


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