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金銭を愛する者の悲劇

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伝道者の書は「光なき人生の虚無から、まことの光に生きることを指し示す」最高のテキストです。

5. 金銭を愛する者の悲劇

【聖書箇所】5章1~19節

ベレーシート

  • 伝道者の書の5章10~14節は「金銭を愛する者」の悲劇が記されています。イェシュアも、「山上の説教」の中で「だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富にも仕えるということはできません。」(マタイ6章24節)と語っています。「愛する」と「憎む」という両極端な表現はユダヤ的な強調表現の修辞法で、一方を強調する時に、他方は否定されるのです。したがって「憎む」という表現は文字通りの「憎む」ではなく、「完全な愛を注げない状態」を意味しています。その意味で、「神にも仕え、また富にも仕えるということはできません。」としています。中庸を重んじる日本ではなかなか理解されにくい表現です。
  • ここでの「富」は原文ではアラム語「マモーナ」(=「マモン」)がそのまま音訳されています。それは「マモン」があたかも人格を持った偶像のように考えられていたという説があります。イェシュアはここで「二人の主人」に仕えてはならないと命じられたのではなく、同時に仕えることは「できない」と宣言されたのです。
  • 今日、キリスト教会において「繁栄神学」が横行しています。キリストを信じることで、神からの祝福を受けてすべての点で繁栄をもたらすと教える流れです。この繁栄神学には多くの落とし穴があります。「エデンの園」が回復するのでなければ、繁栄は「日の下」の事柄でしかありません。その意味で、伝道者の語っていることばに耳を傾ける価値があります。

1. 金銭を愛する者の宿命

【新改訳改訂第3版】伝道者の書5章10~12節
10 金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛する者は収益に満足しない。これもまた、むなしい。
11 財産がふえると、寄食者もふえる。持ち主にとって何の益になろう。彼はそれを目で見るだけだ。
12 働く者は、少し食べても多く食べても、ここちよく眠る。富む者は、満腹しても、安眠をとどめられる。


(1) 満足できない

  • 金銭を「愛する」とは、金銭を重んじ、金銭にいつも注意を払い、どこまでもそれに寄り添い、執着するということです。しかしその結果は、決して「満足できない、満たされることがない」のです。それは、詩篇23篇に描かれている「私は乏しいことがない」(「ロー・エフサール」לֹא אֶכְסָר)という祝福とは真逆の姿です。
  • いろいろな事業を展開して多くの会社をつくって自慢しているクリスチャンの実業家に、私はためらうことなく尋ねました。「それはあなたにとって楽しいですか」と。すると、その方は非常に不機嫌な顔をされました。なぜ実業家はどんどん新たな事業に手を出すのでしょうか。それは聖書に記されているように「満ち足りる心」がないためです。結局、その方は多くの負債を残して亡くなり(召され)、負の遺産を手にした遺族はその負債のために苦しみ、追われる身となりました。
  • 使徒パウロも、以下のように同様のことを述べています。

【新改訳改訂第3版】Ⅰテモテ 6章9~10節
9 金持ちになりたがる人たちは、誘惑とわなと、また人を滅びと破滅に投げ入れる、愚かで、有害な多くの欲とに陥ります。
10金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです。ある人たちは、金を追い求めたために、信仰から迷い出て、非常な苦痛をもって自分を刺し通しました。


(2) 安眠できない

  • 多くの人はこの「安眠」(伝道者5:12)を得るために、いわば精を出して一生懸命に働いていると言えます。しかし、私たちの主は、私たちが主を信頼して安眠しているときにすばらしいことをしていてくださるようです。神がアダムの助け手であるエバを創造されるとき、アダムは眠っていました。ダビデの場合にも、彼が眠っているときにアブシャロムが失脚するように神は働いておられました。詩篇127篇にも「主はその愛する者には、眠っている間に、このように備えてくださる」(2節)とあります。信仰の高嶺は「安眠」だと信じます。私たちが頑張らなくても、寝ている間に主が最善を備えて下さっています。なぜなら、主は「まどろむこともなく、眠ることもない」方だからです。
  • 金銭を愛する者はなぜ安眠できないのでしょう。それは、喪失しないために保全を図ろうとするからです。金銭は多く持てば持つほど、それに満足することができないばかりか、安心して眠ることさえできなくなってしまうのです。安眠は神を信頼する者に与えられる最高のプレゼントです。しかし安眠がなければストレスは増し加わり、病気になってもおかしくありません。安眠は神への信頼のバロメーターとも言えます。


2016.3.2


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