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雄獅子アッシリヤの首都ニネベの陥落預言

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3. 雄獅子アッシリヤの首都ニネベの陥落預言

画像の説明

ニネベの城壁の復元図

ベレーシート

  • 町(都市)の建設の歴史はカインから始まります。神から離れたカインにとって「町を建てること」は、自分と自分の家族を守る確かな保障でした。カインは神から与えられるいのちの保障に満足できなかったのです。流浪を余儀なくされたカインにとって町の建設は、安心して定住できるひとつのしるしです。しかし、人間の造った町はどんなに堅固であったとしても、やがて破壊され、空しく失われる運命にあるのです。
  • ダビデが王になってからすぐにエブス人の町を攻めようとしましたが、エブス人たちは町の門を固く閉ざし、自分たちの鉄壁の守りを誇って城壁の上からダビデを嘲りました。そのときダビデは、必死に策を考え、町に水を引く給水路から忍び込んで攻撃することを思いつきます。そのようにしてエブス人から奪った町がエルサレムでした。どんな堅固な城壁であったとしても、決して守り切れる保証はありません。要塞都市と言われたニネベもあっけなく敵に侵入され、占拠されてしまいました。

1. 襲いかかろうとする敵

【新改訳改訂第3版】ナホム書2章1節、3~4節
1 散らす者が、あなたを攻めに上って来る。
・・・・・
2 【主】は、ヤコブの栄えを、イスラエルの栄えのように回復される。──かすめる者が彼らをかすめ、彼らのぶどうのつるをそこなったからだ。
3 その勇士の盾は赤く、兵士は緋色の服をまとい、戦車は整えられて鉄の火のようだ。槍は揺れ、
4 戦車は通りを狂い走り、広場を駆け巡る。その有様はたいまつのようで、いなずまのように走り回る。


画像の説明

  • 「散らす者」とはアッシリヤのニネベに「襲いかかろうとする敵」のことで、その敵とは緋色の服をまとったメディア・バビロンの連合軍です。「勇士の盾は赤く、兵士は緋色の服をまとい、戦車は整えられて鉄の火のようだ」とあるように、敵に恐れを与える火の色です。ローマ軍の外套も緋色でした。ちなみに、アッシリヤの軍服の色は青(あるいは紫)色です(エゼキエル23:6参照)。
  • しかし、襲いかかろうとする本当の敵は神ご自身です。神は諸国の民の争いを通して、ご自身のみこころを成し遂げられるのです。そのようにして、主はご自身の民を回復なさるのです(ナホム2:2)。これは変わることのない神の歴史支配の基本原則です。この原則に従って、アッシリヤの衰退が北イスラエルの領土を巻き込んだヨシヤ王の改革を(一時的ではありましたが)実現させたと言えます。
  • 2節の「かすめる者が彼らをかすめ、彼らのぶどうのつるをそこなったからだ。」という箇所の人称を明確にする必要があります。「かすめる者」(「略奪する者」「荒らす者たち」)とは、アッシリヤのこと。「彼ら」とは「ヤコブとイスラエル」のことです。

2. 消え失せ、むなしく、荒れ果てたニネベの栄光

  • 「貴人たちは呼び出され、途上でつまずき倒れる。彼らはその城壁へ急ぎ、防柵を設ける」(5節)とあります。「貴人たち」とはニネベの指揮官、あるいは「将軍たち」(岩波訳)のことで、城壁を守るために彼らは呼び出され、城壁へと急ぐあまり、つまずき倒れもしますが、城壁に敵の雨あられと飛んで来る矢から自分たちを守るための「防柵」を設けます。しかしその効なく、水門から侵入されたニネベの町の人々の狼狽ぶりが目に見えるように描かれています。ニネベが占拠され、消え去った破れ口は、チグリス川から町の中に引き入れていた水路の「」からのようです。なぜなら、「流れに面した門が開かれ」(新共同訳)、「流れに面した城門が開けられ」(岩波訳、7節)とあるからです。そして王の宮殿はゆらぎ、混乱し、消え去ります(6節)。

【新改訳改訂第3版】ナホム書2章7~10節
7 王妃は捕らえられて連れ去られ、そのはしためは鳩のような声で嘆き、胸を打って悲しむ。
8 ニネベは水の流れ出る池のようだ。みな逃げ出して、「止まれ、立ち止まれ」と言っても、だれも振り返りもしない。
9 銀を奪え。金も奪え。その財宝は限りない。あらゆる尊い品々が豊富だ。
10 破壊、滅亡、荒廃。心はしなえ、ひざは震え、すべての腰はわななき、だれの顔も青ざめる。

  • 王妃」と訳されたヘブル語「フッツァヴ」(הֻצַב)は、原語では「彼は堅く立つ」という「ナーツァヴ」(נָצַב)の男性単数形の強意形使役態でありながら、続く動詞「ガーラー」(גָּלָה)が3人称女性複数形の強意形受動態という意味不明な箇所です。新改訳も口語訳も新共同訳もみな同じくこれを「王妃」と訳しています。関根訳は「女主」と訳し、フランシスコ会訳は「女主人」と訳しています。岩波訳はこれを人名と解釈してそのまま「フッツァヴ」と訳しています。この「フッツァヴ」はニネベの女神の別名という解釈もあるようです。ヘブル語では町や都は女性名詞です。ニネベは女神イシュタルにささげられた町であり、「ニネベ=イシュタル」ということが成り立ちます。「イシュタル」は地域によっていろいろな名前で呼ばれており、バビロンにおいては「天の女王」、カナンにおいては「アシュタロテ」、ローマにおいては「ヴィーナス」、シリヤでは「イスター」、エペソでは「アルテミス」、日本では「天照大御神」と呼ばれます。すてべ女神の名前です。その背景には霊的な力を持つサタンの存在があります。いずれにしても、ニネベの恥辱が表わされることは言うまでもありません。その「フッツァヴ」が裸にされて、連れ去られたのです(預言的完了形)から。
  • 8節に「ニネベは水の流れ出る池のようだ。みな逃げ出して、「止まれ、立ち止まれ」と言っても、だれも振り返りもしない。」とあるのは、ニネベを守る指揮官たちが軍隊と民衆とをもう一度呼び集めようとしても、誰一人として戦いを続けるためにとどまる者がおらず、みな慌てふためいて逃げる狼狽ぶりが語られています。それゆえ、攻撃する者たちは自由にニネベの宝を略奪できたのです。
  • アッシリヤの支配が及んだあらゆる国々の財宝、並びに貢ぎ物がニネベに集められていました。金銀のみならず、あらゆる尊い高価な品々です。それらが敵によって略奪されたのです。オバデヤが語ったように、「主の日は・・あなたがしたように、あなたにもされる。あなたの報いは、あなたの頭上に返る。」(オバデヤ15節)ということがエドムだけでなく、アッシリヤに対してもなされたのです。
  • 特に、10節の「破壊滅亡荒廃」と訳された部分のヘブル語は順に「ブーカー」(בּוּקָה)「メヴーカー」(מְבוּקָה)「メヴッラーカー」(מְבֻלָּקָה)で、接続詞によってつなげられています。口語訳は「消え失せ、むなしくなり、荒れ果てた」と訳していますが、「消え失せ、むなしく、荒れ果てた」とすれば、語呂合わせが良く覚えやすいと思います。これが人間が建てる町(都市、都)の歴史的運命と言えます。特に、イスラエルとかかわったエジプト、アッシリヤ、バビロン、ペルシャ、ギリシャ、そしてローマ帝国のすべては「消え失せ、むなしく、荒れ果てた」のです。ナホムはこれが主によるさばきであることを述べています。
  • 二ネベは古代世界の中でも並外れた難攻不落の都市であり、周囲13キロもある巨大な防壁に囲まれ、その防壁の高さは8〜18メートルあったと言われています。その中に住む者たちはだれもが完全に安全な都市だと思っていたに違いありません。それゆえにその要塞が破られた時の人々の狼狽ぶりは想像に難くありません。「はしなえ、ひざは震え、すべてのはわななき、だれのも青ざめる。」(2:10) これが、二ネベ陥落時の人々の恐怖と苦痛に満ちた姿でした。
  • まさに、「【主】が家を建てるのでなければ、建てる者の働きはむなしい。【主】が町を守るのでなければ、守る者の見張りはむなしい。」(詩篇127篇1節)とあるように、神の建てられる永遠の都は決して揺るがされることはありません。その都こそ、主にある者たちが熱心に尋ね求めなければならないのです(ヘブル13:14)。


2015.6.5


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