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1章14~15節


創世記1章14~15節

【新改訳2017】

14 神は仰せられた。「光る物が天の大空にあれ。昼と夜を分けよ。定められた時々のため、日と年のためのしるしとなれ。
15 また天の大空で光る物となり、地の上を照らすようになれ。」すると、そのようになった。

יד וַיֹּאמֶר אֱלֹהִים יְהִי מְאֹרֹת בִּרְקִיעַ הַשָּׁמַיִם לְהַבְדִּיל בֵּין הַיֹּום וּבֵין הַלָּיְלָה וְהָיוּ לְאֹתֹת וּלְמֹועֲדִים וּלְיָמִים וְשָׁנִים׃
טו וְהָיוּ לִמְאֹורֹת בִּרְקִיעַ הַשָּׁמַיִם לְהָאִיר עַל־הָאָרֶץ וַיְהִי־כֵן׃

「14 ヴァッヨーメル エローヒーム イェヒー メオーロート ビレキーア ハッシャーマイム レハヴディール ベーン ハッヨーム ウーヴェーン ハッラーイラー ヴェハーユー レオートート ウーレモーアディーム ウーレヤーミーム ヴェシャーニーム」
「15 ヴェハーユー リメオーロート ビレキーア ハッシャーマイム レハーイール」

ベレーシート

●9~13節は「三日目」の創造として、神は「天の下の水を一つの所に集めることによって、「乾いた所」と「海」を分けました。神は「乾いた所」を「地」と名づけられますが、その「乾いた所」がイスラエルと深く関係していることが分かりました。次の14~19日の四日目の創造は「天の大空」に関するものですが、そこでも、当然ながら、イスラエルと深く関係しているのです。

1. 「光る物」の機能

●「天の大空に光る物(複数)があれ」と神は指示されました。舞台は「ラーキーア」、すなわち「天」です。そこに神は大きな「光る物」を置いたのです。

【新改訳2017】詩篇136篇7~9節
7 大きな光る物(אוֹרִים גְּדֹלִים)を造られた方に。・・
8 昼を治める太陽(הַשֶּׁמֶשׁ)を。・・
9 夜を治める月(הַיָּרֵחַ)と星(כוֹכָבִים)を。・・

●しかし「光る物」を単に太陽と月や星のことだと考えるなら、それは表面的な理解となってしまいます。創世記が言わんとする「光る物」の存在は、それが果たす役割にあります。それは14節にあるように「昼と夜を分け、定められた時々のため、日と年のためのしるしとなる」という機能です。

2. 「時のしるし」

●創世記1章14~15節では、「光る物」が果たす役割(機能)に重点が置かれています。その役割とは「定められた時々のため、日と年のためのしるしとなる」ことです。これはどういうことでしょうか。まず、「しるし」(「オート」אוֹת)という語彙の意味はいくつかあります。名尾耕作の「ヘブル語大辞典」によれば、以下の「しるし」には、以下の意味があるとしています。

(1) 保護の証拠や証言しての「しるし」・・(創4:15、出12:31、ヨシュア2:12)
(2) 確実に起こることの前兆としての「しるし」・(出3:12、Ⅰサム2:34,14:10)
(3) 神のわざとしての奇蹟としての「しるし」・(出4:8, 7:3、民14:11, 22)
(4) 記念または記憶のための「しるし」・(出13:9, 16)
(5) 契約の「しるし」・(創9:12, 17:11)
(6) 旗印、目印として「しるし」・(民2:2)
(7) 季節の変化としての「しるし」・(創1:14、エレミヤ10:2)

●創世記1章14節にある「しるし」は、季節の変化としての「しるし」であり、以下の「時のしるし」のため、つまり、神のご計画を示す「時のしるし」ということです。その時のしるしを見分けるために、「光る物」が天に置かれているということなのです。聖書の中に「時のしるしを啓示しているものがある」というのは、聖書独自です。ユダヤの王としての誕生を東方の博士たちに知らせた「星」もその一つです(マタイ2:2)。

(1) 「定められた時々のため」
●「定められた時々」と訳された「モーアディーム」(מוֹעֲדִים)は「モーエード」(מוֹעֵד)の複数形です。「モーエード」は「一定の時、一定の場所、会合、例祭、季節」を意味します。例えば「来年の今ごろ」(創17:21)というように。また、主の例祭には春と秋の季節(春ー過越の祭り、種なしパンの祭り、初穂の祭り、七週の祭り、秋ーラッパの祭り、大贖罪日、仮庵の祭り)が定められています(例:詩81:1~5)。これらの年ごとに繰り返される主の例祭の春の祭りと秋の祭りには、イェシュアの初臨と再臨という神の隠されたご計画が啓示されているのです。それについては、「主の例祭における預言的意味」を参照。

(2) 「日のため」
●原文では「日々」(「ヤーミーム」יָמִים)※となっており、「ヨーム」(יוֹם)の複数形です。日々行われる幕屋(聖所)での礼拝、「安息日」を中心とする7日間の周期、3日目という秘義など。パウロが繰り返し語っている「聖書の示すとおりに」(聖書に書いてあるとおり)もの、「時のためのしるし」なのです。それがすでに聖書(旧約聖書)に示されているということです。※ちなみに「海」を表わす語彙は「ヤーム」(יָם)ですが、その複数形は「ヤムミーム」(יַמִּים)です。

●ルカの福音書のなかにある「きょう」(今日)という言葉も、それは単にtodayとしての「今日」ではなく、神が定めた絶妙な時の「きょう」なのです(ルカ2:11,24:43参照)。

(3) 「年のため」
●原文では「年々」(「シャーニーム」שָׁנִים)となっており、「シャーナー」(שָׁנָה)の複数形になっています。7年の終わりごとに訪れる負債の免除と、50年ごとに訪れる「ヨベルの年」(解放の時)は「仮庵の祭り」の時であり、イェシュアの誕生の時も宣教を開始した時も「仮庵の祭り」の時です。


2020.1.25
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