3章2~3節
創世記 3章2~3節
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【新改訳2017】創世記3章2~3節
2 女は蛇に言った。「私たちは園の木の実を食べてもよいのです。
3 しかし、園の中央にある木の実については、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』と神は仰せられました。」
【聖書協会共同訳】創世記3章2~3節
2 女は蛇に言った。「私たちは園の木の実を食べることはできます。
3 ただ、園の中央にある木の実は、取って食べてはいけない、触れてもいけない、死んではいけないからと、神は言われたのです。」
ב וַתֹּאמֶר הָאִשָּׁה אֶל־הַנָּחָשׁ מִפְּרִי עֵץ־הַגָּן נֹאכֵל׃
ג וּמִפְּרִי הָעֵץ אֲשֶׁר בְּתֹוךְ־הַגָּן אָמַר אֱלֹהִים לֹא תֹאכְלוּ מִמֶּנּוּ וְלֹא תִגְּעוּ בֹּו פֶּן־תְּמֻתוּן׃
ベレーシート
●2~3節は蛇に対して女が語った箇所です。伝言ゲームのように最初の情報がどれだけ正確に伝わるかは、その情報を聞いて伝えた方か、あるいはその情報を受けた方が問われます。妻は直接神の言葉を聞いたわけではないので、夫よりは不利な立場でした。いずれにしても、神の言葉を聞くということが人間にとっていかに重要な責任であるかが問われるのです。彼女が「私たち」として語ったその内容は、夫アダムが聞いていた内容とは異なっています。
1. 女は神のことばをどのように聞いたのか
創2:16 アダムに語られたことば
①あなたは園のどの木からでも思いのまま食べてよい。
②2:17 しかし、善悪の知識の木からは、食べてはならない。
③その木から食べるとき、あなたは必ず死ぬ。創3:2~3 女が蛇に答えたことば
①私たちは園の木の実を食べてもよいのです。
●神である主は園のすべての木から食べるようにと命じられたにもかかわらず、「木の実を」食べていました。②しかし、園の中央にある木の実については、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。
●「それに触れてもいけない」と神が語っていないことが付け加えられています。③あなたがたが死ぬといけないからだ』と神は仰せられました。」
●「あなたは必ず死ぬ」(「モート・タームート」מוֹת תָּמוּת)と言われたのに「あなたがたが死ぬといけないからだ」(「ペン・テムトゥーン」פֶּן־תְּמֻתוּן)に変わっています。
●園の木はすべて単数形であり、女の口から「いのちの木」と「善と悪の知識の木」という表現は見られませんが、原文には「それから」を意味する「ミンメヌー」があることから、「園の中央にある木の実」を「善悪の知識の木」としていることは明白です。。「園の中央にある木」は「いのちの木」と「善悪の知識の木」があったはずです。サタンの化身である「蛇」の戦略は、彼女の言う「園の中央にある木の実」を「善悪の知識の木」として食べさせることにあったのです。
2. 神のことばは聖なるもの
●「木」(「エーツ」עֵץ)に象徴される「神のことば」(=「トーラー」תּוֹרָה)は明確、かつ断定的であったのに対して、女のことばはそれに付け加けえられ、変更され、曖昧なものになっています。イェシュアの語られた「山上の説教」の中で、当時のパリサイ人たちや律法学者たちは「殺してならない」という神の律法に「人」を付け加えて、「人を殺してならない。人を殺す者はさばきを受けなければならない」と律法を解釈していました。イェシュアはそれに対して「わたしはあなたがたに言います」と言って、本来の律法の意味するところを教えています。イェシュアの口から出る律法(トーラー)は本来「霊であり、いのち」であったのですが、それが人間の解釈(付加・変更)によってゆがめられ、いのちのない文字(もんじ)の律法になっていたのです。神のことばである律法の中の一点一画でも、決して曖昧にしてはならないのです。
●神のみことばは聖なるものです。聖なるものとは、人間が自分勝手に操作できないものなのです。詩篇19篇には神の律法がいかなるものであるかが記されています。
【新改訳2017】詩篇19篇7~11節
7 【主】のおしえは完全で たましいを生き返らせ
【主】の証しは確かで 浅はかな者を賢くする。
8 【主】の戒めは真っ直ぐで 人の心を喜ばせ
【主】の仰せは清らかで 人の目を明るくする。
9 【主】からの恐れはきよく とこしえまでも変わらない。
【主】のさばきはまことであり ことごとく正しい。
10 それらは金よりも 多くの純金よりも慕わしく
蜜よりも 蜜蜂の巣の滴りよりも甘い。
11 あなたのしもべも それらにより戒めを受け
それを守れば 大きな報いがあります。
2020.6.15
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